世界110の国と地域の教会が加盟する世界教会協議会(WCC、本部:スイス・ジュネーブ)の最高執行役である総幹事の次期候補選出について、選考委員会がこのほど「順調」に進んでいると発表した。
選考委のアグネス・アブオム委員長(=WCC中央委員)は、最近発表した次期総幹事の候補選出に関する報告書で、すでに加盟教会から数人の候補者が挙げられており、今月28日の締め切りまでさらに届け出が出される見通しとだと発表した。
次期総幹事の最終的な決定は今年8月26日から9月2日にかけてスイス・ジュネーブで開催される中央委員会で行われ、選出まで残り約半年となっている。アブオム委員長は、「(次期総幹事候補の)選考は、すべての地域、すべての加盟教会、男性も女性も含めた深く幅広い範囲にわたって行われている」と現状について説明した。
選考委は昨年2月の中央委員会で、現職のサムエル・コビア総幹事が続投の意志がないことを公表したため組織され、これまで後任選出に向けて用意を進めてきた。コビア総幹事は、現職の続投を望まないことについては、個人的な理由のためとしている。
当初は後任決定までの期間、臨時の総幹事を選ぶ方向であったが、昨年9月にドイツ・リューベックで開催された執行委員会で、コビア総幹事が後任決定まで任期を延長することで落ち着いていた。また同12月には、各加盟教会に対して後任選出のための候補者を届け出るよう依頼が出されていた。
選考委員会は4月までに届け出された候補者の予備審査を行い、候補者を絞り出す。さらに、6月末までに予備審査を通過した候補者に対して面接を行い、最終的には約半年後に開催される中央委員会で新総幹事が誕生することになる。
04年1月から現職を務めるコビア総幹事はケニア出身。後任選出に関してWCCの一部では、近年アフリカやアジアでキリスト教の成長が著しいことを反映して、同地域から選出される可能性が高いと予想する声もある。