農場や一般家庭などから牛乳を買い取り回収する仕事をしていたパキスタンのキリスト教徒が、賃金を要求したために雇い主のイスラム教徒に殺されるという事件が起きた。犯人は事件後逃走し、まだ捕まっていないという。
キリスト教の人権団体「国際キリスト教コンサーン」(ICC)によれば、殺害されたのはシャージャワル村出身のアシュラフ・マシフさん(30)。約2カ月前に、兄弟のムハマド・アファン容疑者とムハマド・ナデム容疑者、また2人の甥であるムハマド・イムラン容疑者の3人に、近所の農場や一般家庭を回り牛乳を買い取る仕事のために雇われた。
1カ月間働いた後、1月中にマシフさんは賃金の支払いを求めたが、3人は支払わずにさらに1カ月間働けば2カ月分の賃金を払うと言った。
家族を支えるために賃金がどうしても必要になり、マシフさんは今月1日に再度賃金の支払いを求めたが、3人はマシフさんの要求に怒り、「おまえはエサイ(キリスト教徒を意味する差別語)で、イスラム教徒から支払いを要求した。何という度胸だ。すぐにおまえを終わらせる。おまえのキリストのところへ行け。きっと何でもくれるだろう」と言ったいう。その後3人は、マシフさんを殺害し現場から逃走した。
パキスタンのカトリック教会のスポークスマンであるバブ・ビクター氏はICCに対して、すでに警察には捜査依頼の届出を出し、捜査が行われているがまだ3人は捕まっていないと話した。