ロシア正教会は昨年12月に前総主教のアレクシー2世が死去したことに伴い27日、新総主教としてスモレンスク及びカリーニングラードのキリル府主教(62)を選出した。ソビエト体制崩壊後初めての総主教誕生となった。総主教への正式な着座は2月1日となる。
モスクワ中心部にある救世主ハリスト大聖堂で27日行われた総主教選出のための会議では、世界64カ国から集まった聖職者ら約700人が投票に参加。キリル氏が508票を獲得し、対立候補であったカルガ及びボロフスクのクリメント府主教が獲得した169票を抑えて新主教に選出された。キリル氏は新主教に選出され、「教会会議による総主教への選出を受け入れ、感謝する」(AFP通信)と語った。
1989年からロシア正教会の渉外局長を務めてきたキリル氏は、アレクシー2世が死去した後は、総主教代理を務めていた。1946年、レニングラード(現サンクトペテルブルク)生まれ。俗名はウラジーミル・グンジャエフ。ローマ・カトリックとの関係改善に努め、07年にはバチカンでローマ教皇ベネディクト16世と会談した。
2000年には日本正教会の首座主教着座式出席のため、故アレクシー2世とともに来日。昨年9月にも、ロシア正教会駐日ポドヴォリエの新聖堂完成で来日している。