・・・私たちの道を開いて、あなたがたのところに行かせてくださいますように。また、私たちがあなたがたを愛しているように、あなたがたの互いの間の愛を、またすべての人に対する愛を増させ、満ちあふれさせてくださいますように。また、・・・私たちの主イエスがご自分のすべての聖徒とともに再び来られるとき、私たちの父なる神の御前で、聖く、責められるところのない者としてくださいますように。(第一テサロニケ人への手紙3章11節〜13節)
世の中全体が重苦しい雰囲気に包まれていますが、私たちには神を知らない人々が体験できない、神の愛、助け、祝福や守りの約束が常にあることを感謝しましょう。
二千年前のパウロの時代、まだ紙はなく貴重なパピルスや羊皮紙などに手紙を書き記していました。スペースも限られ、無駄なことは書くわけにはいきませんから、ひとつひとつの言葉に大変重みがあるのです。使徒パウロの手紙には、本当に真実な、神から私たちに与えられた幸せの秘訣を込めた言葉が記されていると学ぶべきです。
神の前に「感謝」しましょう。それを口先だけの「ありがとう」で終わらせるのではなく、その中に大きな意味を持たせたいのです。
1.感謝には常に希望がある
パウロは、「あなたがたのところに行かせてくださいますように」(3:11)と神の前に祈り求め希望を抱いたのでした。
近代的な交通機関はありませんから、人々は文字通り歩いて旅をしなければなりませんでした。私たちが単に旅行をするという意味での軽い思いとは訳が違います。そこには、盗賊や様々な危険の中を歩かなければならない何百キロの道のりがあるのです。それにもかかわらず、彼は手紙に、あなたがたのところに行きたいと書いたのでした。
生きた信仰者の心にはいつも感謝があり、どのような困難や障害の中でも、感謝の中に希望が必ず芽生えてくるのです。
あなたが神と結びついているならば、絶望的な仕事の状況や複雑な人間関係の中にあっても、夢と希望を失うことはありません。神への感謝と祈りの中に、夢が起こり希望が与えられます。
2.どのような状況でも愛が働く
神を信じてクリスチャンとして生きていく私たちは神からの愛によって生きていきます。憎しみや恨みが心の原動力であってはいけません。
パウロは、豊かで満ち足りた中で愛を語っているのではありません。妨害者が立ちはだかり、捕らえられ拷問を受け、牢に投げ込まれるようなことを何度も体験しています。そのような状況にありながら、彼は愛が働くと語ります。
感謝をするとき、感謝を生み出す神の愛が働くことを感じ、その愛がさらに豊かに働くことを願うことができます。
神の愛は、救い主の命を取るほどの罪よりも、さらに大きなものであることが、キリスト・イエスによって証明済みなのです。あなたが神から頂く愛は、どのような不足感、欠乏感、試練にも負けることのない愛、「死」にさえ打ち勝つ力を持った愛です。これを忘れてはいけません。
私たちの力で愛そうとすると、不足感を感じ、無力さを思い知らされます。私たちに必要なのはイエスの愛です。無尽蔵でどこまでも、とことん愛してくださる愛です。
その愛を大いに増し加えてくださいと神に祈って求めてまいりましょう。
3.信仰の成長を意識する
人生が自分の思うように動かなくなり、行き詰まりを感じるのは、あなたが成長することを止めてしまったからではないですか?神の恵みが自分に対して十分でないように感じてしまうのは、私たちが神の御前に成長すべき者だということを忘れているからです。
私たちは神の子供です。子供であるということは神から愛され大切にされる約束と共に、親を手本として成長すべき余地がいつもたくさん残っていることを認めましょう。
パウロが使徒として大きく用いられたのは、彼の心が、子供として神の御前に成長し続けていたからです。神を基準とするならば、全員に成長の余地があるのです。
あなたが神から与えられている信仰はそんなものでは終わりません。礼拝や献げ物に対する姿勢、奉仕や祈りにおいて、もっともっと聖霊の力が増し加えられ、成長させられることを願っていこうではありませんか。
私たちの感謝の裏づけとして、この希望を、愛を、そして成長を意識する者でありたいと思います。
万代栄嗣(まんだい・えいじ)
松山福音センターの牧師として、全国各地、そして海外へと飛び回る多忙な毎日。そのなかでも宗教を超えた各種講演を積極的に行っている。国内では松山を中心に、福岡、鹿児島、東京、神戸、広島、高松にて主任牧師として活動中。キリスト教界のなかでも、新進気鋭の牧師・伝道者として、注目の的。各種講演会では、牧師としての人間観、ノイローゼのカウンセリングの経験、留学体験などを土台に、真に満足できる生き方の秘訣について、大胆に語り続けている。講演内容も、自己啓発、生きがい論、目標設定、人間関係など多岐にわたる。
また、自らがリーダー、そしてボーカルを務める『がんばるばんど』の活動を通し、人生に対する前向きで積極的な姿勢を歌によって伝え続け、幅広い年齢層に支持されている。
国外では、インド、東南アジア、ブラジル等を中心に伝道活動や、神学校の教師として活躍している。