ミケランジェロの作品とされる15世紀のキリスト磔刑像が23日、ローマにあるイタリアの国会議事堂で公開された。市場価格3000万ユーロ(約37億9600万円)とみられる磔刑像であるが、海外流出を防ぐためイタリア政府が先買件を行使し、市場価格を大きく下回る325万ユーロ(約4億1100万円)で購入した。AFP通信が伝えた。
同通信によれば、23日の国会での公開時には、ジョルジョ・ナポリターノ大統領のほか、サンドロ・ボンディ文化相、ジャンフランコ・フィーニ下院議員らが出席した。磔刑像は来年1月23日まで1カ月にわたって無料で公開される。
磔刑像は1495年ごろのものと見られており、高さは41.3センチ。前所有者だったイタリア北部トリノの古美術商がフィレンツェの一族から買い取ったもので、バチカンのアントニオ・ポールシ学芸員によれば、ミケランジェロの作品であることを保証する文書はないものの、ミケランジェロの作品とみることは「きわめて妥当」だという。
イタリアの国会での無料公開の後は、来年1月20日に米大統領の就任式に臨むバラク・オバマ氏を祝い、米ワシントンにある国立美術館で展示される予定だという。