文部科学省が02年から推し進める研究拠点形成補助金事業「21世紀COEプログラム」の03年度採択拠点における事後評価結果がこのほど発表され、「市民主導型の健康生成をめざす看護形成拠点」(聖路加看護大)、「『平和・安全・共生』研究教育の形成と展開」(国際基督教大)などがA判定を受けたが、「一神教の学際的研究−文明の共存と安全保障の視点から−」(同志社大)はB判定であった。
03年度の拠点として選ばれたキリスト教主義大は、聖路加看護大(1件)、同志社大(2件)、関西学院大(1件)、国際基督教大(1件)。5年間の研究活動の後発表された今回の評価では、A判定「設定された目的は十分達成された」が3件、B判定「設定された目的は概ね達成された」が2件であった。
同志社大が行った「一神教の学際的研究」(神学研究科神学専攻、森孝一リーダー)では、キリスト教、イスラム教ユダヤ教の研究に携わる国内外の研究者間ネットワーク構築を目的に、「一神教学際研究センター(CISMOR)」の設立や、神父・牧師(キリスト教)、ラビ(ユダヤ教)、イーマム(イスラム教)らに対して、各宗教が共通に抱える諸問題について問題提起し、学び合う実践的なプログラムの提供、情報発信源としての世界最高水準の学術ウェブサイト(http://www.cismor.jp)構築などを行った。
今回の評価では、同研究事業が特に宗教研究の国際化と学際化に取り組んだことが高く評価され、異なる宗教間の対話の機会を提供し、各宗教間の理解を促進する活動に積極的であったと評価された。
03年度採択拠点の総数は130件で、内A判定は60件、B判定は60件、C判定は10件という結果であった。評価は、日本学術振興会内に設置された21世紀COEプログラム委員会が行っており、事後評価の詳細は同プログラムのウェブサイトからダウンロードできる。
▽「市民主導型の健康生成をめざす看護形成拠点 」(聖路加看護大)、▽「技術・企業・国際競争力の総合研究」(同志社大)、▽「『人類の幸福に資する社会調査』の研究−文化的多様性を尊重する社会の構築−」(関西学院大)、▽「『平和・安全・共生』研究教育の形成と展開 」(国際基督教大)、▽「一神教の学際的研究−文明の共存と安全保障の視点から−」(同志社大)