【CJC=東京】非政府組織(NGO)が主導した形で世論を動かした「クラスター(集束)爆弾禁止条約」がノルウェーのオスロ市庁舎で12月3日調印式が行なわれ、各国代表のほか80カ国以上のNGO関係者約500人も参加した。
世界教会協議会(WCC)のサミュエル・コビア総幹事は、100を超える国家による調印を「人道的で、歴史的な勝利」とし「世界の大多数の政府」が、小型爆弾を広範に散布することで「無差別に殺人をする」の爆弾の使用を禁止する条約に調印したことを評価した。
「クラスター爆弾禁止という、長年にわたる問題解決へ国際社会が動き出すのを促進するために、教会も含め300を超える市民社会グループが結束したことはすばらしい」と、5億5000万人のキリスト者が属す349教派で構成されるWCCの指導者として指摘したもの。ENI通信が報じた。
コビア氏は「オスロ条約を実施する全政府は、米、ロシア、中国、インド、パキスタン、イスラエル、ジンバブエなど調印しなかった国に圧力をかける」よう呼び掛けた。
オスロでは、バチカン市国も調印した。代表のドミニク・マンベルティ大司教は、各国に「強い政治的なシグナル」を送るために、バチカンは条約に署名、批准したと述べた。爆弾を生産、輸出したり、使い続ける国は、多数の民間の犠牲者の声に耳を傾けるべきだ、と語った。
条約非参加国が保有するクラスター爆弾は、世界の保有数の7〜9割との推定もある。
クラスター爆弾禁止条約は、ノルウェーなど有志国とNGOが08年中の条約作りをうたうオスロ宣言を採択したのが07年2月、今年5月にアイルランドのダブリンで111カ国代表の協議で合意に達した。1997年の対人地雷禁止条約に続くもの。
批准国には条約発効から8年以内に保有爆弾の廃棄を義務づけている。30カ国の批准を経て、2009年後半にも発効する見通し。