明治時代にキリスト教布教の傍ら社会福祉事業にも精力的に取り組んだフランス人宣教師マルク・マリー・ド・ロ神父の業績をたどるイベントが8日、長崎市西出津町の外海こども博物館などで開催された。長崎新聞が伝えた。
イベントは、「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の世界遺産登録を民間レベルで支援する特定非営利活動(NPO)法人「世界遺産長崎チャーチトラスト」が主催し、シンポジウムやパネル討論、関連遺跡の見学などを実施。シンポジウムでは、世界遺産登録に向けた地域指定の調査に取り組んでいる建設コンサルタントの浦口醇二氏が講演し、ド・ロ神父の功績に触れながら外海地区の魅力を紹介した。
ド・ロ神父は、1868年に来日したパリ外国宣教会所属のフランス人司祭。宣教地であった長崎で社会福祉活動と、農工業や建築といった様々な技術の伝承に努め、国の重要文化財で「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の構成文化財の一つともなっている「旧羅典神学校」を設計・建築するなどの業績を残している。