今年100歳を迎える英文学者の清水護・国際基督教大(ICU)名誉教授が、日本キリスト教文学会(山形和美会長=聖学院大大学院アメリカ・ヨーロッパ文化学研究科教授)の今年度の学会賞を受賞した。読売新聞が伝えた。
昨年10月に出版した、大学の卒業論文を含め25本の論文を収録した研究書「英訳聖書の語学・文学・文化的研究」(学術出版会)が高い評価を受け、今回の受賞となった。同書には、「欽定英訳聖書と‘and’について」「聖書とシェイクスピアの英語」「聖書と占い」などが収められている。清水教授は同紙に対して、「たまっていた仕事を片づけただけ」「焦らない性格だったから、ここまでやってこられた」などと語った。
1908年、台湾台中市生まれ。実父は牧師で、5歳のときキリスト教信徒である男性警察官の養子に。東京帝大で英文学を学び、卒業後は成蹊高・成蹊大で長く教鞭を取った。同高の英語教育促進のために清水教授が寄贈した資金がもととなって、現在も清水護英語教育助成資金講演会が開催されるなどしている。