日本最大のプロテスタント教団である日本基督教団(東京都新宿区)の第36回教団総会が21日から東京・池袋のホテルメトロポリタンで始まり、2日目の22日に行われた議長選挙本投票で、現職の山北宣久氏(聖ヶ丘教会牧師)が有効投票数の半数を上回る193票を獲得し、四期連続となる議長再選を決めた。
山北氏は再選決定後の挨拶で、四期連続という長期の議長職について自ら「いかがなものか」としつつも、「こういう状況の中で選ばれたので委ねられた務めを果たしていきたい」と意気込みを語った。また、1日目に行った議長報告では前総会期最大の焦点となった「未受洗者への配餐」についてその違法性を再度指摘。再選決定後も、「自分に対し非難があることも承知している。しかし、然りは然り、否は否として職務を務めてゆきたい。もとより、議長職は教憲教規、信仰告白の枠の中で務められることである」と、あらためてその立場を明確にした。
一方、同じく2日目に行われた副議長選挙では、同職を3期務めた小林眞氏(遠州教会牧師)が退き、佐々木美知夫氏(静岡教会牧師)が本投票で過半数を超える187票を獲得し初当選を果した。当選決定後の挨拶では、「責任の大きさというものを感じておりますけれども、責任に対して自分の能力がついていくかどうか不安を感じております。しかし皆さんのご理解と協力を得て議長を助けて事柄にあたりたいと存じております」と語った。
書記は議長・副議長の一任によって選出されることが承認され、最終日となる23日には総会議長・同副議長・同書記と教団三役の新たな顔ぶれがそろうことになる。
議長・副議長選挙でともに候補に挙げられた後宮敬爾氏(札幌北光教会牧師)はいずれも、得票数を161票、173票まで伸ばしたが、前総会同様に落選となった。
今総会は「教団・公同教会としての一致と連帯」を掲げて開催され、議員400人中367人が参加。沖縄教区から議員が選出されなかったことを巡っては、13人の推薦議員を同教区から選出する形で対応が行われた。
1日目の開会礼拝では、高柳竜二氏(本牧めぐみ教会牧師)が、エゼキエル書37章15〜28節、コリント信徒への手紙一1章10〜25節を引用し、「教会の一致」と題して説教。「破れた網で魚を捕ることができないように、破れた教会は神の御委託に応えることはできない。しかし、神は十字架の主イエス・キリストの権威によって、その破れを修復して下さり、教会を一致させて下さる」と、教会の一致と連帯の重要性を説いた。
総会には来賓として、イ・ウォンジュ氏(基督教大韓監理会宣教局総務)、アシン・アマン氏(台湾基督教長老会議長)、エリエゼル・M・パスクア氏(フィリピン合同教会総幹事)、ダグダス・ウェルチ氏(アメリカ合衆国長老教会長老)、ウェスレー・ブレイキー氏(英国メソジスト教会ノッティンガム&ダービー教区議長)、ウルリケ・シュミット・ヘッセ氏(南西ドイツ宣教会総幹事代行・宣教局長)など、海外の教会指導者も多数参加。国内からも日本キリスト教協議会(NCC)の輿石勇議長、在日大韓基督教会のパク・スギル総幹事が参加した。