聖路加国際病院理事長・名誉院長の日野原重明氏が2000年に立ち上げた、「愛し愛されること、創(はじめ)めること、耐えること」を柱として全国で活動する「新老人の会」の設立8周年記念講演会が18日、東京都千代田区の砂防会館で行なわれた。同会の会員を中心に約600人が参加。日野原氏による講演「心の若さを保つには」のほか、日野原重明祝祭管弦楽団によるミニコンサートなどが行なわれた。
日本の75歳以上の人口は昨年までで約2000万人と、総人口の10%を占める。日本では後期高齢者と呼ばれる人たちであるが、「新老人」(The New Elderly)として老人としての新しい生き方を追求するのが、この「新老人の会」。75歳以上がシニア会員、60歳から74歳までがジュニア会員、20歳から59歳までがサポート会員として、全国各地に支部を設けて活動している。
日野原氏はサポータ会員について、06年にドイツで行なわれたサッカーのワールドカップを例に挙げて説明。サポータが多ければ試合の結果もよくなると、若手会員がサポータ役となって、新老人の生き方を人生のモデルとするとともに、その活動を積極的に支えて欲しいと語った。
日野原氏はまた、心の若さを保つためには、「やったことがない新しいことをすべきだ」「できないと思っているのが間違い」と述べ、参加者らにより積極的に生きるように語った。そのほか、歩き方から笑い方、挨拶の声の高さなど、心の若さを保つための様々な工夫を紹介し、人生は「一期一会」だと良き友を持つことの大切さを語った。
この日はまた、日野原重明祝祭管弦楽団が今回で10回目となる公演を行い、モーツアルト作曲の歌劇「フィガロの結婚」などを披露した。同楽団は、昨年2月に発足した神奈川ブランチを記念して結成されたオーケストラで、湘南地区でプロ活動を行なう湘南エールアンサンブルを母体としている。最後には日野原氏の指揮で参加者全員が、「愛して、創めて、耐えもして 価値あるいのち 共に分かとう」と、「新老人の歌」を歌った。