ある夜、パウロは幻を見た。ひとりのマケドニヤ人が彼の前に立って、「マケドニヤに渡って来て、私たちを助けてください」と懇願するのであった。・・・ピリピに行ったが、ここはマケドニヤのこの地方第一の町で、・・・安息日に、・・・集まった女たちに話した。・・・神を敬う、ルデヤという女が聞いていたが、主は彼女の心を開いて、パウロの語る事に心を留めるようにされた。そして、彼女も、またその家族もバプテスマを受けたとき、彼女は、「私を主に忠実な者とお思いでしたら、どうか、私の家に来てお泊まりください」と言って頼み、強いてそうさせた。(使徒16:9~15)
この聖書箇所は、パウロとシラスによる伝道旅行のことです。パウロにとっては2回目の伝道旅行ですが、その中で、歴史の転換点ともなる大きな出来事が起こります。パウロは幻を見ます。それにより、聖霊の導きが分かったのです。トルコ(アジア)の地からついに海を渡り、マケドニア、ギリシャ(ヨーロッパ)へ、そして世界全体へとイエスの福音が広がっていく大きな転換点、パウロたちが初めて福音を携えてヨーロッパへ渡った箇所です。
癒やしを祈る私たちの信仰が、どんなスケール感、どんな世界感を意識しながら祈るのかを3つの点から確認したいと思います。
1. 神の偉大な御旨に従う
聖霊は確かにパウロたちを西へ西へと導き、アジアからヨーロッパへと渡るようにされたのです。これは単に彼らの伝道旅行ではなく、聖霊に導かれ、全世界を視野に入れた神の大きなご計画の中にあったのです。今も聖霊の働き、導きがあることをはっきりと知ってください。
2. 聖霊による語り掛けを受け止める
神からの幻が与えられたとき、パウロはそれに従いました。神は御旨を伝えるために私たちと関わってくださるのです。主は聖霊によって語り掛けてくださるのです。感謝しましょう! 兄弟姉妹、私たち一人一人、小さな者に見えても、神の語り掛けを受け止める信仰があるなら、聖霊により、神の御旨の受信機と変えられるのです。ですから神の御旨を求めて祈りましょう! そうすれば、小さく弱いあなたであっても必ず神の御業を体験することができるのです。
3. 神は小さな者一人一人を用いてくださる
伝道の大きな転換点でありながら、パウロがピリピの町で出会ったのは、一人の女性でした。神は偉大なご計画を持ちながらも、普通の人々との出会いを通し、魂の救いの業を成し、その人々を用いてくださるのです! これを忘れてはなりません。神は紫布の商人のルデヤを用いられました。彼女は、聖書のことはよく知りませんでしたが、天地宇宙を創られた神を礼拝する心を持っていたのです。そしてパウロと出会い、イエスの十字架と復活を聞き、イエスが救い主であることを知り、イエスを信じバプテスマを受けます。そして彼女は、信者になったばかりでしたが、自分が用いられることを願ったのでした。
神の偉大な業は、必ず一人の信仰者を用いて動き始めるのです。神は私たち一人一人にビジョンを与え、大きな御業のきっかけとして用いてくださいます。このことを知って、私たちも神に用いられるように祈ってまいりましょう。
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