日本と韓国のキリスト教協議会などが、日本の対韓輸出規制に関する声明を発表した。韓国キリスト教教会協議会(NCCK)など韓国のキリスト教4団体が声明を発表し、それに日本キリスト教協議会(NCCJ)が応答として、韓国側の立場表明に連帯の意を示す内容になっている。声明は7月17日、日韓NCCがソウルの韓国プレスセンターで共同記者会見を開いて発表したもので、NCCJが今月7日、公式サイトで日本語と韓国語で発表した。
「日本の対韓輸出規制に対する韓国のキリスト者の立場」と題した韓国側の声明は、NCCKと韓国基督教社会問題研究院、韓国YMCA全国連盟、韓国YWCA連合会の4団体によって出された。声明は、安倍晋三首相の発言内容から、輸出規制は徴用工賠償問題に対する事実上の経済報復だと指摘。これは6月に大阪で開催された主要20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)の宣言文に違反する措置だとし、「これまで両国が積み上げてきた相互に活(い)かしあうための経済と平和の基礎を崩す行為」だと非難した。
また徴用工賠償問題については、焦点となっている1965年の日韓請求権協定について、同協定により放棄された請求権は「韓国人の未収金、補償金およびその他の請求権」を意味し、「不法行為による慰謝料まで放棄するという意味ではなかった」と主張。「不法支配に対する謝罪と賠償は、国際人権基準である被害者中心主義的アプローチの原則に従えば当然の措置」とした。その上で、輸出規制は「正当でなく、両国関係の発展に対しても肯定的でもないため、撤回されるに値する」と述べている。
これに対し、NCCJは「『日本の対韓輸出規制に対するキリスト者の立場』への応答メッセージ」で、「連帯の意」を表明。輸出規制により「両国の信頼関係が大きく揺るがされようとしています」と述べ、規制の解除を求めるとともに「良好で配慮を怠らない日韓関係の回復を祈り求めます」と続けた。