沖縄県名護市辺野古の米軍基地移設予定海域への土砂投入が始まったことを受け、日本キリスト教協議会(NCC)は19日、基地移設に反対する声明(15日付)を公式サイトで発表した。声明は安倍晋三首相に宛てたもので、金性済(キム・ソンジェ)総幹事(在日大韓基督教会)と、飯塚拓也・東アジアの平和と和解委員会委員長(日本基督教団)による連名で出された。
声明は、沖縄県が来年2月に基地移設の是非をめぐる住民投票を行うのを前に、土砂の投入が行われたことについて、「既成事実を作り上げ、沖縄の人々の諦めを狙ったもの」と指摘。「このような民主主義をないがしろにする強引な手法は断じて許されるものではありません」と非難した。
政府が米軍普天間基地(宜野湾市)の移設理由として、周辺住民の危険排除を挙げていることには理解を示しつつも、辺野古が唯一の移設先とする政府の判断に対しては強い抗議を表明。基地が周辺に危険をもたらすのであれば、基地自体をなくすべきだと主張している。その上で「沖縄からだけでなく、世界から軍事基地がなくなることを強く求めます」と述べている。
また辺野古海域への土砂投入は、貴重な自然環境の破壊でもあるとし、工事の即時中止を求めた。