在日本南プレスビテリアンミッション・淀川lキリスト教病院(大阪市東淀川区、石田武院長)は施設の老朽化に伴って移転を計画していたが18日、大阪市が東淀川区柴島にある市水道局用地(約2万6000平方メートル)を約45億円で売却する方針を決め、移転計画が具体的に前進することになった。10月中に仮契約を結び、11月の市議会で承認されれば、正式に契約を結ぶ方針だという。産経新聞が同日伝えた。
同紙によれば、同病院の現在の所在地は手狭で医療手ベルを保ったまま建て替えるのは難しく、移転を考えていたという。しかし、同病院は05年に大阪府から地域医療支援病院に指定されるなど、地域の中核病院として同地域の医療を担ってきた。そのため、移転に対しては地元住民らから反対の声が上がっており、約5万人の反対署名が同市に提出されていた。
今回売却されることになった、水道局用地は阪急京都線の崇禅寺駅と同千里線の柴島駅に挟まれた場所で、現在の所在地から数百メートルの場所。医療拠点としての重要性や地元住民の要望が考慮されたかたちとなった。
同病院は1955年、米国南長老教会によって設立。「からだと こころと たましいが一体である人間(全人)に、キリストの愛をもって仕える医療」という全人医療を理念に、フランク・A・ブラウン医師が開設者となりその活動が始められた。先月には、その全人医療や診療制度への適応力が高いことなどが評価され、日本格付研究所(東京都中央区)から、三菱商事や森ビル、伊藤園などと同じ、長期優先責務の履行の確実性が高いことを示す「A」に格付けされている。