聖路加国際病院理事長・名誉院長の日野原重明氏の著書や、日野原氏自身が選んだおすすめの本など、合わせて310の書籍を扱う「日野原重明書店」が先月31日、ジュンク堂書店池袋本店(豊島区南池袋)7階でオープンした。オープン時には日野原氏自身が「店長」として挨拶し、14日には同店4階のカフェでトークショーが行われた。
トークショーで日野原氏は、戦時や大規模災害時などを想定して臨時医療処置を施せる設計がされている同病院や、その機能によって一度に640人余りの患者を受け入れ、多くの人命を取りとめた地下鉄サリン事件の当時の様子などに言及。日本人移民100周年記念でブラジルを数日前に訪問したと、その様子なども語った。
同店ではこれまで、詩人の谷川俊太郎(03年)や解剖学者の養老孟司(04〜05年)、ノーベル文学賞受賞作家の大江健三郎(06年)などの著名人が「店長」となって、自著や店長おすすめの本を扱うコーナーを店内に開設してきた。
トークショーではこのほか、日野原氏が2000年に立ち上げた「新老人の会」について、「新しい老人になって欲しい」という思いで名前をつけたなどと説明。聖書の話も引用しながら、「赦すということが平和には必要なこと」「(平和運動をすることが)戦争を知っている者の役目だと思っている」などと、同会の目的の一である世界平和について語った。
日野原重明書店では、120万部以上の売上を記録し、自身を日本最高齢のミリオンセラー作家とした『生きかた上手』など、日野原氏自ら執筆した書籍のほか、日野原氏が選んだおすすめの本が並ぶ。「キリスト教」のカテゴリーでは、『キリストにならいて』(トマス・ア・ケンビス著)や『私には夢がある』(M・L・キング著)、『賛美歌と聖歌ものがたり』(大塚野百合著)、『アートバイブル』(日本聖書協会)など22冊余りが並んでいる。
午前10時から午後10時まで。場所は7階の作家書店特設コーナー。期間は8月31日のオープンから約半年間を予定している。問い合わせは、ジュンク堂書店池袋本店(住所:東京都豊島区南池袋2‐15‐5、電話:03・5956・6111)まで。