中澤竜生氏、佳子氏(地域支援ネット架け橋代表、基督聖協団仙台宣教センター国内宣教師)
あっと言う間の6年でした。被災者は仮設住宅から始まって、今は復興住宅と、まさに手探りの状態です。皆さんは復興住宅に移ってからどうするか悩んでいます。だから、僕らも何も分からないのです。クリスチャンとして相談されやすい関わりをきちんと積み重ねていくしかありません。復興住宅は扉を固く閉めるので、仮設の時よりも関係作りが難しい状態です。以前のように集会所に出て情報を得ようとしませんし、深い関係を築こうとしないのです。
行政は仕組みをもって現場に行くので、『仕組み外』のことはできません。これは仕方がないことです。被災者の悲痛な声に対する手助けには限界があります。NPOもニーズを探しますが、答えが合わないと難しいです。私たちは目的がない分、どこも入れない『溝』に関わることができます。1つの例が扶助基金です。地域で明日の灯油代がないときに『扶助基金』を使ってくださいと言うことができます。地域の人が引き続き困っているなら、助ける仕組みを作っていきます。ネットワークを見てもらい、『協力するといいことがある』と伝えます。そして、助けてくれる人につなぎます。行政も2カ月あれば動いてくれます。
地元の人と信頼、友好関係を作って、自分たちの名前を出すことによって、その関係が広がっていきます。言われっぱなしではなく、地域で一緒に助け合っていくことが大切です。私たちの活動は、人をキリストの救いに導くことだけがメインではありません。個人が救いを明確にするには時間がかかります。チャンスを持っておくこと、可能性を広げるのがクリスチャンの働きです。これはずっと続けていくしかありません。
嶺岸浩氏(気仙沼第一聖書バプテスト教会牧師)
あっと言う間の6年でした。確かに大変なこともありました。でも、その中で支援、応援をいただき、関係性を通して救われる方が与えられました。これは大きなことです。悲しみはありますが、イエス様にあって希望を持った人が何人もいることは感謝です。何よりも関わりが大事だなと思わされました。これからも『1人じゃないよ』と言い続けていきます。7年目もよろしくお願いいたします。
ディビッド風間氏(気仙沼ホープセンター代表、ニューソング・チャーチ牧師)
6年目を迎えましたが、震災の復興は終わっていません。継続案件です。例えば、『戦後はいつ終わるのか』という問いがありますが、戦後だって6年では終わりません。人々の記憶にある以上、復興に終わりはありません。被災者は、新しい生活や仕事など、目先の具体的な希望がほしいのだと思います。課題としては、みなし仮設も少なくなりましたが、一方で取り残された人もたくさんいます。高齢のために自宅が再建できない人もいると聞いています。私は牧師ですから、イエス・キリストにある希望と救いを伝える目的しかありません。
ディーン・ベンソン氏(日本ルーテル同胞教団石巻希望の家宣教師)
被災者は、目に見えないメンタルの傷が増えました。病気や経済的な心配もあります。まだまだ傷はあります。課題は、フルタイムで仕える日本人牧師が足らないことです。神様の奇跡によって与えられるよう祈ります。今日は、当時のことを思い出し、胸がいっぱいになりました。
鈴木手以(てもて)氏(保守バプテスト同盟船岡聖書バプテスト教会協力牧師)
6年がたち、心の支援が必要だと思います。仮設住宅と復興住宅にいる方、両方への関わりが必要です。皆さんには寂しさがあります。ですから、私たちは今、音楽カフェをやって、和やかな時間を共有できる場を提供しています。福音的なコミュニティーを目指し、『そのままで愛されているのだよ』と、何かの折に関わりの中で受け取ってもらえたらと思っています。聖書カフェも始めました。10名前後来ています。カフェスタイルのカジュアルな礼拝です。高齢者も参加しています。ここでは焼き菓子やお茶も出ます。クリスチャンには、被災地ばかりではなく、どの場所にでも赴いて宣教する務めが与えられていますね。
■ 宮城三陸3・11東日本大震災追悼記念会:(1)(2)