【CJC=東京】郵便局の運営を民間委託することなら、珍しくもないが、それがキリスト教関係の会社だとややこしくなる。そんな一例が米コネチカット州マンチェスターにあった。
「教会が郵便を配達して良いのか。郵便局が福音を宣伝しても良いのか」と現地紙ハートフォード・クーラントが報じている。
マンチェスターの住民ベトラム・クーパー氏はユダヤ教徒。2003年に郵便局を訴えた。純福音国際教会が設立した会社『シンシアリー・ユアーズ』と契約したのをめぐってのこと。
その会社は、マンチェスターの繁華街で郵便局を運営をするために設立された。ただ同社が局舎内に宗教的な展示をしたことにクーパー氏が反発、提訴したもの。
大通りにある局舎に宗教的な展示をしたり、十字架などのシンボルを置くのは、政教分離を規定した憲法修正第1条違反だと言う。
連邦地裁のドミニク・J・スカトリト判事は2007年4月、展示が「教会の信仰を、公衆が分かるように示し、キリスト教を宣伝し、外部の人に教会に来るよう呼びかけている、と認めた。
一方、郵便局と教会は、第2巡回裁に控訴した。その後、郵便局は控訴を撤回したが、教会側は後に引かない構え。