iPod (アイポッド)などの携帯音楽プレーヤーで、好きなときに、好きな場所で講義を受けられるという、授業の動画配信を同志社大が今年度から始めた。動画はポッドキャストによって配信され、学生は毎週更新される講義を、時間や場所を選ばずに視聴することができる。同大によると、ポッドキャストを利用した講義・講演の配信はすでに各方面で行われているが、単位が取得可能な正課授業の配信は、全国の大学でも初めてだという。
今回配信される授業は、「建学の精神とキリスト教」。全学共通の科目のうちの「同志社科目」の一つとして、同志社の創設者・新島襄の生い立ちや思想、同大の基盤であるキリスト教について学ぶ。「熊本バンド/同志社礼拝堂」「愛とは何か」「キリスト教の歴史的展開―日本史の中で」など全14回の講義が用意されている。
配信サービスは学生以外でも利用可能。インターネットに接続してあればパソコンでも視聴可能で、学生であれば学内のパソコンを利用して視聴できる。
授業を担当する小原克博教授(神学部)は、「授業内容をどこにでも携帯でき、学生の利便性を向上させることが出来るのでは」と語り、また同大へ進学を考えている受験生らが実際の映像を見ることで、同志社の理解によりつながるのではと語った。
教室での講義は一切行われない。出席を確認するかわりに、同大の電子学習システム「e-class」を利用して質疑応答やレポート提出を行う。学期末の試験もインターネット上で実施し、単位認定で必要となるやりとりはすべてネット上で行われる。今学期は約660人の学生が履修登録したという。
講義の動画を1つ作成するのに4、5時間必要となり、まだ実験段階というが、今後授業数を増やしていきたいという。単位は取得できないが、「宗教学6 『戦争・正義・平和――宗教多元社会の中で」(小原教授)もすでに公開されている。
同志社大学ポッドキャスト:http://podcast.doshisha.ac.jp