毎年六月になるとケニアに向かう。できるだけ安い航空券を手に入れるから、到着するのは出発してから三日後だ。レンタカーで走りずくめのケニアが楽しい。最後の一日はサファリ観光をすることにしている。ライオンや象、キリンやアフリカの野生動物を眺めながら、広いサバンナをサファリカーで駆け抜ける。どうしてそんなに急ぐのかと、ケニアの人々は言うけれど。
少年の日の貧しい夢は、多くの人々に愛と自由を与える働きとして実を結び始めた。しかし、まだこれからだ。父がよく話していた「できないのはやろうとしないからだ」とのことばを懐かしく思い出す。
生駒聖書学院のモットー「不可能は挑戦となる」に、蛇足かも知れないが、「不可能は挑戦となり、可能となる」と付け加えて、私はいつも宣言する。
その日、あなたは言おう。「主よ。感謝します。あなたは、私を怒られたのに、あなたの怒りは去り、私を慰めてくださいました」
見よ。神は私の救い。私は信頼して恐れることはない。ヤハ、主は、私の力、私のほめ歌。私のために救いとなられた。
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あなたがたは喜びながら、救いの泉から水を汲む。その日、あなたがたは言う。「主に感謝せよ。その御名を呼び求めよ。そのみわざを、国々の民の中に知らせよ。御名があがめられていることを語り告げよ。主をほめ歌え。主はすばらしいことをされた。これを、全世界に知らせよ」(イザヤ12・1−5)
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榮義之(さかえ・よしゆき)
1941年鹿児島県西之表市(種子島)生まれ。生駒聖書学院院長。現在、35年以上続いている朝日放送のラジオ番組「希望の声」(1008khz、毎週水曜日朝4:35放送)、8つの教会の主任牧師、アフリカ・ケニアでの孤児支援など幅広い宣教活動を展開している。
このコラムで紹介する著書『天の虫けら』(マルコーシュ・パブリケーション)は、98年に出版された同師の自叙伝。高校生で洗礼を受けてから世界宣教に至るまでの、自身の信仰の歩みを振り返る。(Amazon:天の虫けら)