石川県の白山比?(ひめ)神社の関連行事に、同県白山市の角光雄市長が公用車を使って出席したのは政教分離に反し違憲だとして、支出した公費の返還を求めた住民訴訟の控訴審判決が7日、名古屋高裁金沢支部で出された。渡辺修明裁判長は、角市長が神社行事で祝辞を述べた行為は「憲法20条の禁止する宗教的活動に当たる」として違憲と判断。政教分離の原則を厳格に示すかたちとなった。
判決によると角市長は05年6月、祝辞を述べるために同神社の鎮座2100年の記念行事に伴う式典に、市の職員を伴い公用車で出席していた。
市長側は、式典は観光イベントだと主張したが、渡辺裁判長は、「祝辞の目的は宗教的意義を持ち、効果は特定の宗教に対する援助、助長、促進になり、社会通念上儀礼の範囲を逸脱している」と判断。請求を棄却した1審判決を取り消し、公用車の運転職員の時間外勤務手当2000円の返還を角市長に命じた。