サウジアラビアのアブドラ国王は24日、文明間の対話促進を目的とし、キリスト教、ユダヤ教、イスラム教の3宗教の代表者による対話を提唱した。首都リヤドで24、25日に行われた日本とイスラム世界との文明間対話セミナーの参加者らとの席で明らかにした。同国の国営サウジ通信が伝えた。
同通信によれば、国王は「一神教のすべての代表者らが、信仰の友として会うことを願う」と述べた。02年に始まり、今年6回目となる文化間対話には、日本からは宇野治外務政務官、板垣雄三・東大名誉教授ら有識者のほか、朝日新聞の記者らも参加。同紙によれば、国王は昨年11月に国交を持たないバチカンを訪問した際、初めてローマ教皇ベネディクト16世と会談したことについて、「教皇は私をあたたかく歓迎し、人間対人間として対話をした。そのことを決して忘れない」と語った。
現在、同国はユダヤ教徒が人口の8割を占めるイスラエルとは国交がなく、対話実現の見通しは不透明であるが、国王は「すぐに始めたい」(共同)と語った。