少なくとも80万人から100万人が殺害されたといわれる94年のルワンダでの大量虐殺について、ルワンダ国際刑事法廷(ICTR)は12日、虐殺に関与した罪に問われているカトリック司祭のアタナゼ・セロンバ司祭に対して、一審の有罪判決を支持し、一審よりさらに重たい終身刑を言い渡した。AFP通信が伝えた。
同通信によると、判決では94年4月、当時政権を握っていたフツ人の強硬派民兵組織が、対立していたツチ人に対して虐殺を始めた際、セロンバ司祭の教区に住むツチ人数千人がンヤンゲにある教会に非難してきた。しかし、フツ人であったセロンバ司祭は、教区民を保護せず、教会をブルトーザーで破壊させ、逃げるツチ人に対しても強硬派に射殺するよう命じたという。
ICTRは01年7月にセロンバ司祭に対して逮捕状を出し、同司祭は02年2月にICTRに引き渡され、06年には禁固15年の判決が言い渡されている。
フツ人によるツチ人に対する一連の虐殺は94年4月にフツ人ののジュベナール・ハビャリマナ大統領とブルンジのシプリアン・ンタリャミラ大統領を乗せた旅客機が何者かによって撃墜されたことを端に始まった。約100日間で実に国民の10人に1人が殺害されたとされている。ツチ人によるルワンダ愛国戦線(RPF)が同7月、ツチ人保護の名目で全土を完全制圧し、フツ人の大統領、ツチ人の副大統領を立て新政権が発足。両者の対立は終結した。同年11月には、虐殺に責任のある個人を訴追・処罰するためにICTRが設置された。