13年前の万引きについて、万引きをした店舗に謝罪の手紙と弁償金を送り届けた匿名のクリスチャンがいたことが8日、読売新聞によって報じられた。手紙は7日、茨城県水戸市のスポーツ用品店「ビバスポーツ水戸店」に送り届けられた。手紙には「私はクリスチャン」「13年ほど前、つくば店内からパーカ1着を万引してしまいました」という罪の告白と、「盗みをしている者は、もう盗んではいけません」(エペソ4:28)という聖句を引用した謝罪の言葉が書かれていたという。
つくば店はすでに閉店しており、そのため水戸店に送られたものとみられている。万引きの時効は7年。法律上ではすでに無効となっている罪への謝罪に、関係者は困惑を感じながらも、謝罪を喜ばしいものとして受け止めている。同店の運営会社は、送られた1万円を慈善団体に寄付することを検討しているという。
手紙を送った人物が13年間、罪の意識を抱いていたのか、どういう経過で今回の「悔い改め」となったのか、イエスを知る前か後かなど詳細はわからない。しかし、キリストの教えによって過去の罪に対する意識が高まったということは明らかなようだ。
黙っていてもわからない。匿名であるが、それを形にしてこのように罪を償おうとする姿勢は、罪と決別しようとする意志が現れた結果だと言える。神を信じ、イエス・キリストを救い主として告白する者であっても、生活において罪との戦いは常にある。「クリスチャンは罪を犯さない」と言うことは出来ないが、真理の霊によって罪を犯そうとする思いから守られていると証ししたい。
手紙に書かれた聖句「盗みをしている者は、もう盗んではいけません」の後には、「・・・かえって、困っている人に施しをするため、自分の手をもって正しい仕事をし、ほねおって働きなさい」(同)とある。また聖書には、「盗みをせず、努めて真実を表わすように勧めなさい。それは、彼らがあらゆることで、私たちの救い主である神の教えを飾るようになるためです 」(テトス2:10)ともある。手紙を出すという勇気ある一歩を踏み出した匿名のクリスチャンが、さらにまた一歩すばらしい前進を遂げることを期待している。