その後、主はアブラムに仰せられた。「あなたは、あなたの生まれ故郷、あなたの父の家を出て、わたしが示す地へ行きなさい。そうすれば、わたしはあなたを大いなる国民とし、あなたを祝福し、あなたの名を大いなるものとしよう。・・・アブラムは妻のサライと、おいのロトと、彼らが得たすべての財産と、カランで加えられた人々を伴い、カナンの地に行こうとして出発した。・・・アブラムは自分に現われてくださった主のために、そこに祭壇を築いた。・・・彼は主のため、そこに祭壇を築き、主の御名によって祈った。(創世記12章1節〜8節)
この2008年もそろそろ本格的に、本気の歩みを始めたいと思います。
今日開いたのは、人生そのものを神とともに歩んだ、信仰の父アブラハムの物語です。
彼が神との出会いを体験した、その一番最初の部分。それは唐突な出来事でした。神がアブラムに祝福の約束を与えられ、私の言うとおりの人生を歩め、神の道に従え、と語られました。この物語の中に神からの恵みをいただく祝福の秘訣があります。
1.恵みの神との接点を受け止めよう
恵みの神との接点を持っていることが大切です。
世の中には確かに、神と呼ばれる物はたくさんあります。私たちの周りにも、今度の週末には大学のセンター試験がありますが、学問の神様に願を掛けて、お守りを買ってという人々も多いでしょう。安産の神に商売繁盛の神・・・偶像の神はあちらこちらにいます。あるいは、素晴らしい手術の技術を持ったお医者さんを評価するのに、神の手だと表現したり、ビジネスでもスポーツでも神という言葉を私たちはかなり気軽に使います。しかし、聖書が語っているのは、生ける唯一の真の神です。この神は、命の与え主、恵みの神、祝福の神であることを忘れないで下さい。
本当に幸せな人生を生きていくためには、この神との関わりを持っていることが絶対に大切だと聖書は常に語ります。しかしこれは、私たちが持つというよりも、神のほうから語りかけ、私たちに関わり合って下さり、祝福して下さるのだということを知りたいと思います。
アブラハムが立派だったから、良い行ないをしたから神が選んで下さったのではありません。神の側から一方的に声をかけて下さったのです。ここには、聖書の語る神の偉大な御性質が記されています。
聖書の語る神は、人間のイメージが作り上げた神とは全く違います。神のほうから一方的に私たちを選び、私たちを愛し祝福して下さるのです。それが、生きて働かれる真の神なのです。
神はあなたを選び出して下さいました。理由はわからないでしょう。しかし、あなた自身を選び出し、恵みの約束の中へと導き入れて下さったのです。この祝福と愛、恵みの神が私たちと一緒にいて下さいます。これは、あなたに与えられている祝福の特権であり、祝福の約束なのです。
生ける恵みの神との接点をもう一度思い起こしておきましょう。神のほうが、一方的に愛し、選び出して下さったのです。心から感謝しようではありませんか。
2.信仰による応答としての祭壇を築く
信仰の応答としての祭壇を築くことが必要なのです。
アブラム、後にアブラハムと呼ばれるこの人物は「信仰の父」と呼ばれます。私たちの手本とするべき人物の信仰は、どのようなものだったのでしょうか。
彼の人生をみても、わがままで身勝手だと思わされることがあります。彼の人格や行動が清められ、完璧だったから信仰者と呼ばれたのではありません。また、今テレビに出てくる霊能者のようだったのでもありません。
信仰というのは応答です。アブラハムは神からの語りかけに対して応答する術(すべ)を知っていました。新しい地をあなたとあなたの子孫に与えるという神の祝福のお約束をいただいたときに、彼は祭壇を築いて神を礼拝しました。祭壇を築くことによって、彼は自分の信仰を神の前にはっきりとした形にしたのです。神からの語りかけに対して、感謝し賛美し祈ることにより、常に応答することのできたアブラハムは、後に信仰の父と呼ばれるようになり、確かに彼の生涯は大きく祝福されたのでした。
私たち一人一人も2008年の恵みのために、自分自身の祭壇を築くことが大切です。信仰は人任せでは動きません。自分自身の神への信仰の応答としての祭壇を築かなければ、本当の信仰とは呼べません。
お正月に、あなたのうちに神からの示しがありませんでしたか?そこには祭壇を築き直す素晴らしい発想があります。聖霊によって刺激された思いがあります。それを実際に形にしていくことです。
エリヤ、あるいはエリシャの祈りに対して、神が恵みを豊かに与えて祝福して下さったその約束の通りに、あなたのこの1年も、瓶の粉は尽きず、壺の油はなくなりません。
さあ、私たち自身の信仰の祭壇を築き上げましょう。聖書を読み礼拝に出席し、祈り奉仕し、献げ物をし証をし、伝道をして交わりを持つ。一つ一つの生活の中で、信仰の祭壇を築き上げ直したいと思います。
万代栄嗣(まんだい・えいじ)
松山福音センターの牧師として、全国各地、そして海外へと飛び回る多忙な毎日。そのなかでも宗教を超えた各種講演を積極的に行っている。国内では松山を中心に、福岡、鹿児島、東京、神戸、広島、高松にて主任牧師として活動中。キリスト教界のなかでも、新進気鋭の牧師・伝道者として、注目の的。各種講演会では、牧師としての人間観、ノイローゼのカウンセリングの経験、留学体験などを土台に、真に満足できる生き方の秘訣について、大胆に語り続けている。講演内容も、自己啓発、生きがい論、目標設定、人間関係など多岐にわたる。
また、自らがリーダー、そしてボーカルを務める『がんばるばんど』の活動を通し、人生に対する前向きで積極的な姿勢を歌によって伝え続け、幅広い年齢層に支持されている。
国外では、インド、東南アジア、ブラジル等を中心に伝道活動や、神学校の教師として活躍している。