世界遺産暫定一覧に登録された、長崎県内の20の教会・史跡などから成る「長崎の教会郡とキリスト教関連遺産」に、熊本県天草地方の天草市・苓北町にあるキリスト教関連遺産を追加しようとする動きが活発になっている。19日には、安田公寛・天草市長と田嶋章二・苓北町長が、長崎県の金子原二郎知事を訪ね、両市町の関連遺産を加えるよう協力を求めた。長崎と天草は歴史的にもつながりが深く、両者とも協力に積極的な構えで、具体的な進展が期待されている。
追加候補として挙げられているものは、天草市の大江天主堂と崎津天主堂、苓北町のキリシタン供養碑などで、天草・島原の乱(1637〜38年)など長崎と歴史的につながりが深い遺産が挙げられている。また、同市の両天主堂は共に、長崎県内にある多くの教会の建築に携わった建築家鉄川与助が設計している。
読売新聞が伝えたところによれば、安田市長と田嶋町長は19日、長崎県庁へ金子知事を表敬訪問し、安田市長は「追加登録してもらい、長崎県と一緒に頑張りたい」、田嶋町長も「長崎と天草は、歴史的、文化的にも縁が深い。追加登録されることで、相乗効果も期待できる」と訴えた。金子知事も、「できるだけ一緒に取り組みたい」と協力に前向きな姿勢で対応した。