大阪朝祷会の50周年を記念した式典が27日、同会の誕生地である大阪クリスチャンセンターで開かれた。カトリック、プロテスタント両派から約220人の「祷友(とうゆう)」(朝祷会での祈りの友)が全国から集った。世界に類を見ない、信徒によるエキュメニカル運動を展開する朝祷会の50年の歩みを振り返り、今後のさらなる発展を祈りあった。
第1部の記念感謝礼拝では、大阪朝祈祷会チャプレンの平山武秀氏が聖書のメッセージを伝え、朝祷会が絶えることなく50年も続く秘訣は「みなで集まり、祈ることの楽しさ」にあると語った。祈りとは、私たちが神に近づくと同時に神が私たちに近づかれるときであり、また神を間に隔てて祈りあう者同士が一つになるだけでなく、天に凱旋した先輩の信仰者たちとも一つになるときだと説いた。
平山氏は、朝祷会が?教職者と信徒、?カトリックとプロテスタント、?プロテスタントの諸教会、の間にある垣根を取り除く働きであると証しした。
朝祷会全国連合会長の米田昭三郎氏は第2部の記念式典で、「祈りは世界を変える。心をあわせて一致して祈るときに神は必ず応えてくださる」と、朝祷会の担う使命の重要性を強調した。また前岡義照氏(同近畿ブロック代表)は、「多くのキリスト教会がいがみ合っていては、私たちが平和を呼びかけても虚ろに聞こえるのではないでしょうか」と問いかけ、すべてのキリスト教会の一致を促進することを主な目的とする朝祷会が「エキュメニカル運動の大きな力になるものと信じます」と語った。
会場では、大型スクリーンで映像をみながら朝祷会の50年の歩みを振り返った。また、今市カトリック教会聖歌隊が典礼聖歌、関西エバンジェリカルハーモニーが「主の真理は」「ちからの主をほめたたえまつれ」などの讃美歌を披露。尺八と琴の演奏も行われた。
大阪朝祷会は1957年1月、大阪クリスチャンセンターに集まった14人の信徒の祈りから始まった。運動はすぐさま全国へと広がり、62年には第1回朝祷会全国連合全国大会を大阪で開催。現在登録されている集会所は、ブラジルなど海外を合わせると200箇所以上に上る。昨年4月には教派教団を超えた教会一致への働きが評価され、日本エキュメニカル協会から「第11回エキュメニカル功労者顕彰」を受賞。創立当初から今も変わらず毎週月曜日の朝7時から行われている大阪朝祷会の開催数は今年2月に2600回を超えた。