聖書カウンセリングセンター主催の「聖書カウンセリング研究 創刊記念講演会」が、茨城県常総市の筑波キングスガーデン・チャペルで8日行われた。同センター所長を務める山口勝氏が「聖書的カウンセリングとは何か?」というテーマで講演し、聖書カウンセリングの基本理念や必要性などを説いた。
今日の精神医療には、人間の「からだ」の生物学的側面と、神のかたちとして創造された「こころ」の側面という両面からのアプローチが必要であることが指摘されている。こうした中で心の面を担う聖書がこころの病に果たす役割は非常に重要であるという認識から、聖書カウンセリングセンターでは聖書カウンセリング運動を推進している。
「聖書カウンセリング研究」(同センター出版)には、同センターが発行している「聖書と精神医療」の中で、山口氏が掲載した論文、神学校の講義、教会講演の小論文や講義アウトラインなどを再編集し、聖書カウンセリングの概要がまとめて記載されている。
山口氏は「非常に学問的でアカデミック」と著書と講演会の様子を語った。
講演会では山口氏の他、筑波大学障害科学系の園山繁樹教授が、「配慮」というテーマで自閉症のケーススタディをスライドを使って紹介し、精神医学の中で実際に聖書を通した治療が効果的であることを伝えた。
講演会には、カウンセリングに関わる20人が参加した。中には現役の児童神経科医と一般内科の医師が参加するなどし、医療従事者からも聖書を通したカウンセリングに注目が注がれていることが伺えた。
「カウンセリングの諸問題の多くは、罪が直接間接的に絡み合っているのが実状、本人が被害者である場合もあり、また、罪の行為の当事者である場合もあるなど様々である。その罪にメスを入れ聖書的な解決を提供するのが、聖書カウンセリングの使命」と山口氏は語る。
人と人との利害関係の調整ではなく、自己中心の罪という根本的な原因に取り組み、徹底的な癒しを行う聖書カウンセリングが今、現代医学の注目を集めつつある。