教会組織を代表するエキュメニカル代表団が2日、紛争が続き飢餓や栄養失調による直近の脅威が国民の間で拡がる南スーダンへ到着した。世界教会協議会(WCC)がそれに先立って行った発表によると、同代表団は教会指導者や政府関係者と会合を行う予定で、平和と和解のための早急な行動を強く要求するという。
WCCのオラフ・フィクセ・トゥヴェイト総幹事と、WCCなどが関連する国際的な人道支援団体のACTアライアンス(教会共同行動同盟)のジョン・ンドゥナ総幹事、WCC中央委員会議長のアグネス・アブオム博士、世界YWCAのニャラザイ・グンボンズバンダ総幹事、WCCのサミュエル・コビア前総幹事、全アフリカ教会協議会のアンドレ・カラマガ総幹事、WCCアフリカ政策提言担当プログラム幹事の二グッス・レゲッセ博士がこの代表団に含まれているという。
同代表団は、首都ジュバにいる間、諸教会と同伴して停戦を訴え、紛争の当事者たちに和平交渉へ戻るよう求めるとともに、戦闘地域における人道的なアクセスを認めさせ、各国政府に援助を増やすよう促すという。
「南スーダンのこの危機は残念ながら解決されていない」とWCCのトゥヴェイト総幹事は語った。「現在のこの危機は激化する可能性があり、大人数の難民や紛争で立ち退きを余儀なくされた人たちの飢饉や飢餓を伴う」指摘する。
「現時点では、戦闘に囚われた人たちの安全が確かなものとなるように、当事者間の協力を再び確立するための政治過程が進展することが重要だ」「エキュメニカル運動は長い間、南スーダンの平和や南スーダンの国家確立のための構想を支援してきた」
トゥヴェイト氏は続けて、教会と政治指導者たちは正義と平和を切望する民衆の声を増幅させなければならないと述べた。「私たちが彼らに支持を表明するのは、彼らが和解に向けた道や、彼らの国を再建することや国民に食料を与えることに焦点を当てるよう求めるときである」と彼は付け加えた。
「私たちが南スーダンの諸教会に知ってほしいのは、彼らが孤立していないということだ」と、WCC中央委員会のアブオム議長は述べた。
「世界のキリスト教界を代表するこの牧会的訪問を通じて、私たちは南スーダンの諸教会との連帯を表明したい。私たちが彼らとともに彼らの国の平和のために祈る間、私たちはまた、敵対関係を終わらせるメッセージを広めて平和のための解決策を求める上で、どうすれば彼らを支援できるのか、彼らから聞いてみたい」と、アボウム議長は語った。
南スーダンにおける平和の緊急性はWCCによって、同中央委員会などいくつかの機会において表明されてきた。同委員会の覚え書きは「敵対関係の即時終結」を呼びかけており、「すべての戦争当事者たちが停戦合意を尊重し、受け入れて実施する」よう求めている。
トゥヴェイト総幹事は、2013年4月に同総幹事が会見した南スーダンのサルバ・キール・マヤルディ大統領宛の書簡の中で、同国における暴力に対する憂慮を表した。
南スーダンにあるACTアライアンスの加盟団体は、命を救うための救援活動を支援している。昨年12月以来、その活動は水の配布や、衛生及び健康法の道具一式、試掘用の穴、救援物資の配布、移動式健康診療所の支援、心理社会的ケアの提供や、いくつかのキャンプで平和構築活動を実施することである。
しかしながら、大雨が降ると見込まれていることから、活動がすぐに妨げられてしまうだろうと、ACTのジョン・ンドゥナ総幹事は警告した。「1カ月かそれくらいもすれば、一部の地域は水浸しでぬかるんでしまい、救援車両が遠隔地へ行く妨げになってしまうだろう。私たちには今、天候が変わる前により多くの救援物資を持ち込む小さな機会の窓があるだけだ」
「100万人を超える人々が自分たちの故郷から立ち退きを余儀なくされ、激しい戦闘が続き、この悲惨な状況は悪くなる一方だ。これは極めて重大な状況だ。それがより悪いほうへと変わりうるとは思わなかったかもしれないが、しかしそうなってしまったのだ。我々には、救命活動を実施するために資金が緊急に必要だ」
ACTの総幹事は、加盟団体と国際社会に対し、紛争の当事者たちに対し、南スーダンにおける殺戮(りく)や暴力の即時停止をもたらすための圧力をかけ続けるよう求めた。
国連人道問題調整事務所(UNOCHA)は、4月25日付の状況報告の中で、南スーダンでは約490万人が人道支援を必要としていると報告している。