アフガニスタンの旧支配勢力タリバンが同国で奉仕活動をしていた韓国人クリスチャン一行を拉致、殺害した事件で、韓国青瓦台(大統領府)は28日、人質19人全員を解放することでタリバン側と合意したことを発表した。解放の条件は、韓国人によるアフガニスタン国内でのキリスト教宣教活動の中止、同国駐留韓国部隊の年内撤退が挙げられた。
通信によると、人質は3、4日以内に解放される見込み。一方、韓国の聯合ニュースはタリバン側の話として、人質は今後3、4人ずつ数回に分けて解放され、全員解放までに最大で5日かかると伝えている。
韓国政府とタリバン側の直接交渉は同日午後5時50分ごろから同7時20分ごろ(韓国時間=日本時間同)まで約1時間半にわたって、事件が発生したカズニ州にある赤新月社の事務所で行われた。タリバン側がイスラム教徒の関与を求めたため、交渉にはインドネシアの外交官2人と部族長数人が同席した。
韓国政府は、すでに人質12人の無事を電話で確認したとしており、残る7人についても確認を急いでいると伝えている。解放後は、健康診断などを経て直ちに帰国させる予定。
青瓦台の千皓宣(チョン・ホソン)スポークスマンは同日、解放が合意したと説明した後、「韓国政府は人質解放で合意に達したことを歓迎する」と述べると共に、交渉に協力したアフガニスタン政府や国際機関などに謝意を示した。
タリバンは先月19日、短期の奉仕活動を目的にアフガニスタンを訪れ、バスで移動中であった韓国人ボランティア23人を拉致。アフガニスタン政府に拘束されているメンバーの解放を要求し、これまでに人質の男性2人を殺害、今月13日には健康が悪化していた女性2人を解放している。残る19人は依然として監禁され続け、タリバンと韓国政府の間で直接交渉が行われてきた。