法務省が23日、死刑が確定していた竹沢一二三(69)、岩本義雄(63)、瀬川光三(60)死刑囚3人の死刑を執行したと発表したのを受けて、国際人権団体のアムネスティ・インターナショナル日本(以下、アムネスティ)は同日、抗議の声明を発表した。
アムネスティは声明で、今回の執行も国会休会中に行われ、「国会における議論を避けた」可能性があると指摘。さらに、事前に本人、家族を含め誰に対しても死刑の執行を予告なく行うという密行主義に対しても批判を加えた。また事実上、世界の130ヶ国が死刑制度を廃止しており、国連も含め世界規模で死刑制度廃止の潮流があることを挙げ、「日本が人権の観点から死刑について議論し、死刑制度という究極の人権侵害を廃止する一歩を、近い将来に踏み出すことをアムネスティは期待しています」とした。
竹沢死刑囚は90年と93年に会社役員と農家の主婦の計3人を殺害、さらに現住建造物放火などで死刑が確定。岩本死刑囚は96年、99年に会社社長ら2人を金目当てで殺害、瀬川死刑囚は91年に会社社長夫妻を射殺し現金を奪ったとして死刑が確定していた。
死刑執行は4月以来で、昨年9月に就任した長勢甚遠法相の下での執行は今回で3回目。約11カ月間で計10人となった。これは、93年の後藤田正晴法相(当時)による死刑再開以来最多となる。