「赤ちゃんポスト」(通称:こうのとりのゆりかご)を運用する熊本市の慈恵病院(蓮田太二理事長)で、これまで年間40〜50件だった妊娠・出産の24時間無料電話相談窓口による相談件数が、今年度は4カ月間(4月〜7月末)ですでに190件に上っていたことが22日、関係者の話で分かった。
今年5月の赤ちゃんポスト運用開始以来、同病院に関係する地元住民からの相談が大半だった前年度までと違い、北は北海道、南は沖縄まで全国各地から相談が寄せられるようになった。
病院側では、児童相談所を通して新生児を乳児院に預けることや、養子縁組について教えるなどして、相談者に中絶はなるべく避け、生まれてくる小さい命を守るよう勧めている。
病院ではこれまでにも、玄関やポスト脇で公的な相談窓口の連絡先を掲示したり、担当者が中学校、高校へ出向いて、いのちの尊さや性感染症、人口妊娠中絶の危険性を訴える「いのちの講演会」を実施したりなどして、神から預かった尊い命を守る働きを続けてきた。
病院の関係者は、「私たちのすることは、小さないのちを救う、ただそれだけ。個人で命を救えなければ、社会で救っていく。人間として当然のことを、ゆるぎない気持ちで行っている」と語った。
24時間無料電話相談「SOS赤ちゃんとお母さんの相談窓口」は、電話:0120・783・449。