ウクライナの大統領職を負われたヴィクトル・ヤヌコビッチ氏(63)の豪邸が一般に公開され、その贅沢な暮らしぶりに怒りの声が上がっている。
首都キエフ中心部から北約15キロほどのところにある約140ヘクタールの敷地に、ヤヌコビッチ氏の邸宅がある。同氏が逃亡した22日以降、一般にも開放され、多くの見物人が押し寄せているという。敷地内にはゴルフ場や私設の動物園もあったという。
ヤヌコビッチ氏は逃亡前、大量の会計文書を敷地内の池に捨てており、共同通信によると、発見された文書から、同氏が3000ユーロ(約42億円)もする黄金のシャンデリアを複数購入していたことが明らかになっている。
この他、敷地内で飼育している動物の名前を記すプレートに約100万円、新聞などのメディアに対する自身の露出を調べる調査に、6億4000万円近い支払いをしていることも明らかになった。
この地は元々国有地で首相公邸があり、ヤヌコビッチ氏は首相に就任した2002年から同地に住んでいた。しかし、2007年には同氏の関連会社が購入。2010年にヤヌコビッチ氏が大統領に就任すると開発が進められたという。最近では、敷地内の施設の一部を政府に有料で貸し出すこともあったという。
ウクライナの国会に当たる最高会議は23日、ヤヌコビッチ氏の邸宅周囲を再び国有化することを決定した。
一方、ヤヌコビッチ氏は、大統領解任後行方が分からなくなっており、ウクライナ当局は、デモ参加者の大量殺害容疑などで同氏を指名手配し、行方を追っている。