第49回大阪ケズィック・コンベンションが19日、大阪リバーサイドホテルで開かれた。午前の集会では、教職信徒ら470人が集まる中、英ムーアランズカレッジ(Moorlands College)校長のスティーブ・ブレディ(Steve Brady)氏がヨナ書1章を本文に「神から逃げる(信仰の後退)」と題して講演した。ブレディ氏は、「すべてのキリスト者にはヨナにとってのニネベのような領域がある」とし、「神が御言葉をくださったならば、私たちは現状に留まることはできない」と迫った。
ブレディ氏は、キリスト者の「ニネベ」について、「『神様、それだけはできません』と言う可能性のあるもの」と定義し、「私たちは『いいえ、主よ』と言うことはできない。『はい、主よ』。答えはそれだけだ」と強調した。
ブレディ氏は、ヨナが現状に留まるのでなくタルシシュに向かったことについて、「忙しくしているように見えるが、それは神への不従順を覆い隠すだけのものだった」と指摘した。「私たちは忙しくしていることが主のご用を果たしていることだと思い違いをしやすい」とし、「問題は忙しいかどうかでなく、主に従順なのかどうかだ」と説いた。
さらに、「罪を犯すことが神の摂理だと思い違いをすることがある」とし、「神に『これは間違っている』『してはいけない』と言われていることを、環境が整っているからやってもいい、ということにはならない」と指摘した。
ブレディ氏は、「多くのキリスト者は、罪を犯すことで自分がもっと人間らしくなるのだと勘違いしている」と語り、「罪を犯す時に、私たちは人間らしさを失っていく。イエスの御姿に近づけられていく時にこそ、本当の人間らしさを取り戻していく」と強調した。
最後にブレディ氏は、「神は情け深く、憐れみ深い。どのような人であろうと、神はその人が回復することを願っておられる」と説き、「主はヨナのような人を例外なく、悔い改めへと招いてくださっている」と呼びかけた。
午後の集会では、カナダ・ピープルズチャーチ(Peoples Church)主管牧師のチャールズ・プライス(Charles Price)氏が、ローマ書7章1~13節を本文に「律法からの解放」と題して講演した。プライス氏は、モーセの律法について「私たちが弱さを持ち、足りない者だということを明らかにするためにある。正しいものだが、私たちを励ますものではない」と説き、「私たちはイエスとの新しい関係に生きるために律法から解放された」と強調した。
プライス氏は、「私たちがこれから結ばれようとする方は、私たちのために十字架で死に、墓に葬られたが、その墓の中からよみがえって勝利し、私たち一人ひとりに勝利あるいのちを与えてくださるお方」と説き、「霊的にイエス・キリストと結ばれるとき、キリストが私たちに必要なものすべてを与え、すべてを満たし、すべてをあがない、永遠にともに生きることができるようにしてくださる」と力を込めた。
プライス氏は、「新しい契約は、律法の内容を書き直すのではない。以前のように石の上に書かれるのでなく、私たちの心の内側にへと場所が変えられること」と説いた。その上で、「命令が約束へと変えられる」と語り、「一人ひとりの内に神が働かれることによって、いままでできなかったことができるようになる。私たちの結ぶ実りによって、私たちの内にいのちがあることを表すことになる」と強調した。
ケズィック・コンベンションは、日本で半世紀以上の歴史をもつ超教派の聖会。毎年、約1カ月かけて全国10カ所で開かれ、40教派以上の教職信徒が参加する。参加登録者総数は多いときで約4千人に上る。最も歴史のある箱根大会は、今年で53回目。25日から27日までの3日間、神奈川県の箱根ホテル小涌園で開かれる。