19世紀の幕末期、イギリス琉球海軍伝道会から、沖縄へ初めてのプロテスタント宣教師として派遣されたバーナード・ジャン・ベッテルハイム師(1811〜70)の滞在手稿日記が、このほど琉球大学付属図書館によって修復された。レプリカ、DVDなども合わせて作成され、一般への公開が可能になった。
修復されたのは、同大のみが保管する手稿日記3点を含む合計5点。文科省の特別支援事業特別教育研究費の予算措置を受けて、約10ヶ月間、合計350万円を投入して修復した。
同大に保管されている史料は1846〜53年にかけて書かれたもので、19世紀前半の薄い用紙が用いられているために劣化が著しく、触っただけで崩れるほどだった。そのため修復には、欠損部にのみ繊維を充てんするリーフキャスティング法という特殊技術が用いられた。
ベッテルハイムは1846〜54年の8年間、妻と子ども2人を伴って、沖縄での初めての宣教師として伝道活動や医療活動に取り組んだ。この間、支援者であった英国琉球海軍伝道会への報告書や日記など数多くの文書類を残している。また、琉球語で四福音書、使徒の働き、ローマ人への手紙を訳したことでも知られている。