アフガニスタンで発生した韓国人拉致事件で、10日から始まった韓国政府とタリバンによる初めての直接交渉が11日も断続的に続く中、交渉に参加したタリバン幹部は11日、残る人質21人全員を解放する見通しが出てきたことを伝えた。
ロイター通信によると、交渉に出席したタリバン側の担当者の1人であるマウラビ・ナスララ幹部は記者団に対し、「韓国人の人質全員が解放され、家に帰ることになるだろう」と述べた。またAP通信によると、もう1人の担当者カリ・バシル幹部も人質は確実に解放されるとし、「今日もしくは明日」に実現する可能性もあることを示した。これにより、先月19日に23人が拉致され、その内男性2人が殺害された事件で、解決に向けてに大きな進展につながる可能性が出てきた。
しかし、タリバン側は、事件当初から要求していたアフガニスタン政府に拘束されているタリバン兵を釈放するという要求は取り下げないとしている。これに対して、アフガニスタンのカルザイ大統領は一貫してタリバン兵の釈放には応じない姿勢を崩していない。
韓国政府とタリバンの間で行われている直接交渉は、事件が発生したカズニ州の南部に位置する赤新月社事務所で行われ、韓国側4人、タリバン側2人の他、国際赤十字のメンバー4人が参加。韓国側の交渉代表は、これまでタリバン側と電話交渉を行ってきた駐アフガン大使が務めているとみられる。また、交渉に際して、アフガニスタン政府はタリバン側2人の身元の安全を書面で保証するなどしていた。