世界的に著名な英国の伝道者、ジョン・ストット師が18日、英国ケズィック・コンベンションで同師の公の活動としては最後となる講演をし、その働きに幕を下ろした。ストット師は講演で、「神は、神を信じる者たちに何を求めているのか」と会衆に問いかけ、「キリストに似ることだ」と伝えた。(ChristianToday.com)
ストット師は講演で、ローマ人への手紙8章29節、コリント人への手紙第二3章18節、ヨハネの手紙第一3章2節を引用し、「私は、この地上での長い旅の終わりに差し掛かっているこの時に、私が心に留めていることを皆さんと分かち合いたいのです」と述べ、「神は、神を信じる人々にキリストに似た者となってもらいたいのです。キリストに似ることは、神が神を信じる人々に願っていることです」と語った。また、「もし、我々がキリスト者だと主張するのであれば、我々はキリストに似たものになるべきです」と強調した。
今年86歳を迎えたストット師は4月末、今回の講演で公の場から隠退することを発表していた。世界中から尊敬されている同師は、米国の大衆伝道者として著名なビリー・グラハム師からは「今日の世界において最も立派な聖職者」と証しされるほど。日本でも著書「信仰入門」(有賀寿訳、すぐ書房)、「和解の務め」(油井義昭訳、同)、「これがキリスト教です」(有賀寿訳、同)などで知られている。
ストット師は、イングランド教会福音協議会(Church of England Evangelical Council)議長を1967年から84年、聖書同盟の英国代表を1965年から74年、福音同盟会代表を1973年から74年、大学キリスト教宣教会(Universities and Colleges Christian Fellowship)代表を1961年から82年まで4期務め、宣教と未来のキリスト教指導者育成のために尽力してきた。また、1959年から91年までの32年間、英国女王エリザベス2世にチャプレンとしても仕えている。
引退後は、30年以上居住していたロンドンから、イングランド南部にある英国国教会の引退聖職者用の住居地に転居する。