社団法人・日本建築構造技術者協会(JSCA)が毎年、建築構造設計者の活動において、独自性を持ち且つその波及効果が大きい作品または業績に貢献した個人に送っているJSCA賞の今年の受賞者が11日発表され、第18回JSCA賞新人賞に日本バプテスト連盟・神戸新生バプテスト教会(神戸市東灘区)「鉄の教会」の構造を手がけた白髪誠一氏(北條建築構造研究所)が選ばれた。
同教会は日本バプテスト宣教団の開拓伝道の目的でブルックス宣教師夫妻が88年から開拓準備を開始し、90年から神戸市内の建物を借りて礼拝がスタートした。だが、00年には同宣教師が辞任、無牧の状態に。さらに、03年には礼拝を行っていた建物の解体により、礼拝場所がない状態となってしまう。しかし、信徒らが話し合い、献金を出し合って協力することによって、04年に木村博昭氏(京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科教授)が設計し、今回JSCA賞新人賞に選ばれた白髪氏が構造を担当する形で現在の教会堂を建築した。
JSCA賞は、建築構造の設計・監理等を担う構造家の役割の顕在化、次世代の活発化、社会へのその役割の提示などを目的に設置された。第1回では、千葉県の大型会議・展示施設、幕張メッセの構造設計を担当した渡辺邦夫氏(構造設計集団、SDG)が選ばれた。