7月27日から8月12日まで英ロンドンで開催予定の第30回夏季オリンピックまで100日を切った。華々しいイベントの開催が予定される一方で、世界には多くの貧困者が取り残されたままとなっていることが、23日、世界福音同盟(WEA)のニュースサイトで伝えられた。
2000年には国連加盟各国によって、極度の貧困状態にある人々の数を半分にし、2015年までにHIVウイルスの蔓延を食い止めることなどが目標にされた15年間にわたる「ミレニアム開発目標」が採択された。2015年という目標年まで後3年弱しか残されていない状態にあるが、まだミレニアム開発目標を達成するには多くの努力が必要とされる状態のままとなっている。
ミレニアム開発目標の達成年まで3年を切った切迫した状況下において、キャメロン英首相は、英ロンドンオリンピックと並行してミレニアム開発目標達成までの速度を速める政策を企画している。
キャメロン英首相は、ミレニアム開発目標に向けた英政府としてのコミットメントである2015年までに8,000万人の子どもに予防接種を打ち、140万人の子どものいのちを救う目標について、「これから私たちが努力することで開発目標達成への速度が早められる可能性を無視してはいけないと思っています。開発目標に定められたそれぞれの課題を私たち自身の問題として捉え、世界の最も貧しい人々に対すて宣言した約束が破棄されないように努力していく必要があります」と述べている。国連事務総長の潘基文氏は、キャメロン英首相に対し、現状のミレニアム開発目標から、達成期限の2015年以降に達成目標を設定する国連委員会委員長となるように依頼している。
米実業家のビル・ゲイツ氏もキャメロン英首相の呼び掛けに関心を示し、キャメロン英首相が海外支援の目標達成を実現する国連目標を真剣に捉えていることに対して「非常にすばらしい」と称賛している。
ミカ・チャレンジディレクターのジョエル・エドワード氏は、国連では2000年に15年計画のミレニアム開発目標を定めたものの、世界各国多くの指導者らがその誓約を守りきれないでおり、一部指導者はすでに誓約を放棄しており、さらには誓約達成と逆の方向へ進む障害物を作ってしまっているような指導者らも存在していると指摘している。
ミカチャレンジではミレニアム開発目標を達成させるための活動を行っており、世界数百万人のクリスチャンを動員して、世界中の政策指導者らがミレニアム開発目標を達成するように働きかける活動を目指している。
ミカチャレンジによると、世界規模のキリスト共同体が有する二十億人のクリスチャンはひとつになるとき大きな力が生じ、貧困者の苦しみを感じる神の御心を提唱していくことができるという。
エドワード氏は、「ミレニアム開発目標達成に向け、他にもノルウェー、スウェーデン、オーストラリアその他各国が最後の短距離走に取り組もうとしています。ミレニアム開発目標達成に向けた各国の競争はオリンピックレースではなく、命と死の競争であり、走り続け、勝利すると約束した競争でもあります」と述べ、国連加盟各国の目標達成年度に向けた責任ある取り組みを呼び掛けている。