平林けい子
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主は生きておられる(236)ありがとう、つぼみ 平林けい子
毎朝ラジオ体操をする公園、ユキヤナギの小さなつぼみを発見。翌日数ミリ大きくなっていた。細い枝についているつぼみ、咲こうと待っている。わずかの気温の上昇とともに、小さなつぼみがほんの少し膨らんだ。
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主は生きておられる(235)昭和は遠くなっていく 平林けい子
何年生まれ? 昭和9年、私たちから国民学校1年生。第二次世界大戦「ほしがりません 勝つまでは」習字で書いて家の入り口に貼った。戦争が終わって一番うれしかったのは、部屋に電気をつけられること。私は明かりを求め続けていた。
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主は生きておられる(234)主の赦し、憐れみ故に 平林けい子
朝の目覚め、おはようございます。今日もイエス様と一緒に歩めます。うれしく、感謝です。この言葉が飛び出す。朝ごとに喜びが深くなる。91年間の人生の家計簿。罪の収入に比べて、憐(あわ)れみの支出の何と多いことか。
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主は生きておられる(233)ありがとうハイビスカス 平林けい子
ハワイの空港で初めて、ハイビスカスのレイをかけてもらった。以来私の思い込み。ハイビスカスはハワイの花、暑いから思い切り大きく咲く夏の花。一昨年友からもらった一鉢のハイビスカス。昨年10輪を超える花が咲いた。喜びの日々。
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主は生きておられる(232)2本の脚で立てた 平林けい子
正月2日の午前3時ごろ、トイレに起きたとき、下着を着替えようとして尻もちをついた。困った、どうしよう。人工関節の脚、ベッドの端を持ったり、立ち上がろうと何度も試みる。
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主は生きておられる(231)死を近く生きる 平林けい子
まさか卒寿まで生きるとは。卒寿にふさわしい知恵、理性、品性、体力もない私に、卒寿がやって来た。90年を振り返る。国民学校1年から5年まで戦争中。欲しがりません、勝つまでは。
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主は生きておられる(230)私は浦島太郎 平林けい子
「私は浦島太郎」何度もこう言った。私を取り巻く世の中、昭和生まれの私、世界の回転の速さに目が回りそう。若者の服装に目を見張る。縄文時代のシンプルウェア。中世の貴婦人、舞台からそのまま。破れかぶれのパンツ姿。みんな似合っている。
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主は生きておられる(229)時間よ ありがとう 平林けい子
あの頃は、土曜日も半日勤務。日曜日、祝日は夫と文学研究会。退職、英語塾をしながら子育て。夫を送って、今主と猫と三人家族。卒寿の私に、主からの極上の贈り物、自分で自由に使える時間。
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主は生きておられる(228)心の苦みが消えた 平林けい子
聖日の朝。いつもの教会で、いつもの席で礼拝をささげる。礼拝後、兄姉と食事を共に味わい、笑い、心通い合う。車で家に送ってもらう。心暗くなるときもある。天の御国に引っ越したい。イエス様はまだお呼びではない。
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主は生きておられる(227)「三浦綾子文学の旅」から 平林けい子
旭川の外国樹種見本林、ここは氷点の舞台。氷点の作中人物が立ち上がる。塩狩駅、今も同じ線路の上に走っている列車。人の命を救うために、自らの命をささげた青年。私は人のために何をしただろう。
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主は生きておられる(226)朝露の星 平林けい子
あまりの美しさに、はっと息をのんだ。みどりいっぱい、クローバーはじめ雑草の中に、キラ、キラ、キラ。朝露の星が散らばっている。目が釘づけになった。昨夜の雨の恵み、「今しか見られない」。来る人来る人立ち止まる。
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主は生きておられる(225)ここまでこられた 平林けい子
よくここまでこられたと思うことがある。戦争中、小学生だった私。欲しがりません勝つまではと頑張った。奨学資金で卒業。就職して返済した。結婚子育て、楽しかった。困難の時、真っ暗なトンネル、いつ出られるか分からなかった。
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主は生きておられる(224)「イエス様」と呼んだとき 平林けい子
「イエス様」と呼んだとき、光の中で振り向いてくださる、私を見つめてくださる優しい目。「イエス様」と呼んだとき、手を指し伸ばしてくださる、なんと温かい主の御手。「イエス様」と呼んだとき、「どうしたの」と聞いてくださる。
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主は生きておられる(223)どんなにたくさん 平林けい子
この目はどんなにたくさん喜びを見てきたか。どんなにたくさん喜びを聞いてきたか。この世に生まれて持った喜び、見て、聞いた喜び。限りなく続く渦巻のよう。悲しいこと、つらいこと。いっぱい見た、聞いたのに。90歳に近い今、それらはどこかへ…
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主は生きておられる(222)今年のクリスマス 平林けい子
12月に姉を送り、寂しい心でクリスマス。ルカ伝2章8節から20節を読んだ、何度も何度も。羊飼いたちの心にともった喜びの明かり、私の心にも、ともった明かり。寂しさを越えて喜びになった。
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主は生きておられる(221)新しいドア 平林けい子
団地に住む私の家のドアが新しくなった。まるで新しい家に引っ越したよう。そっと ドアを開け閉めする。明るい、静かだ。私の心の中もより明るくなったようだ。暗い道を帰っても、この新しいドアが待っている。
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主は生きておられる(220)不思議な出会い 平林けい子
今、私の毎日は冒険。数週間前、主は私に不思議な方法で友を与えてくださった。姉を訪問する途上、真横に歩いている外国人の婦人と目が合った。互いにほほ笑んだ。歩く速度は全く同じ。互いにあいさつ。わずか数分後の会話の後、名前アドレス交換。
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主は生きておられる(219)白い帽子とえんじの帽子 平林けい子
この白い帽子。焼けつくような今年の夏、出かけるときはほとんどかぶった。何度も洗い、何度も漂白。この帽子、3人の子どもたちの小中高校の運動会にはいつも使った。誰彼なしに“頑張れ!”と応援した運動会を思い出させてくれる。
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主は生きておられる(218)敬老の日 平林けい子
来年90歳を前に、人生を振り返った。50数年前、神に出会った。これで心配なく生きられると思ったのに、悲しいこと苦しいこと、どんどん下さった。もう生きられないと思ったとき、神が私の手を握り締めてくださった。
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主は生きておられる(217)朝露の真珠 平林けい子
朝、公園でのラジオ体操の帰り。あ、これ何? きれい! 朝露よ。雑草の一本一本、豆のさやの中で並んだような水滴。朝日に照らされて、まるで真珠。誰もが、はっと息をのむ。
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