日本キリスト教学会近畿市部会が11月24−25日、初の日韓神学者大会を京都大で開催した。日韓の神学者が集まり、「癒やしと和解」というテーマで講演や討論を行った。両国から計約50人の神学者が参加した。
日本側からは芦名定道氏(京都大文学部キリスト教学助教授)、山下淳氏(同志社大大学院総合政策科学研究科教授)、西原廉太氏(立教大文学部キリスト教学科長、助教授)らが講演。韓国側は、李ジョンべ氏(韓国メソジスト神学大宗教哲学科教授)、金エヨン氏(韓国神学大神学科教授)、権ジングァン氏(韓国聖公会大神学科教授)らが発表した。
芦名氏は「日韓のキリスト教神学と土着化−民族を巡って」という主題で講演。土着化について「状況の適応性」と「自己同一性」の概念を用いて説明した。
芦名氏は、日本のキリスト教について、「自己同一性は維持したものの、状況適応には失敗した」と説明。韓国のキリスト教については「状況適応の面で卓越な力を示し、民族問題と民主主義に寄与したが、自己同一性の面では失敗した」と指摘した。
李氏は、「日韓史の癒やしのためのアジア神学の模索−土着化神学の観点から」というテーマで発題した。宗教的な価値感に基づいて正当化された暴力は悪循環を招く、などと語った。