日本YMCA イラン震災地支援で成果
昨年12月26日にイランで発生した大地震で、日本YMCA同盟が現地のキリスト教系NGOに緊急募金490万円を送金したが、支援の経過視察のため8月に同同盟の視察団が中東教会協議会(MECC)を訪問していたことが22日、同盟の発表で分かった。訪問団の山根一毅・全国協力主事は、経済や産業で「復帰に向けた明るい兆しが見える」と報告して募金支援を評価するとともに、被災者の精神的ケアなどで引き続き支援と準備が必要と明かした。
イラン南東部の都市バムと周辺地域では、地震によって人口の3分の1以上の尊い命が奪われた。MECCはキリスト教系NGOのACT (Action by Churches Together)のオランダ支部と協力して復興支援活動に取り組んでおり、日本からの募金もそこで利用されている。今年3月までは主に、テント、毛布、食糧、医薬品などの配布や日本赤十字社と協力しての医療活動が実施され、イラン各地から多くのクリスチャンが集まり、支援活動にあたった。
視察団からの報告によると訪問時、大半の瓦礫は撤去されており、人々はテントやプレハブでの生活を始めていた。通りには貨物コンテナを利用した商店が並び、経済機能の回復が見られたという。また、MECCは、特に被害が大きかった2つの農村地域を支援の対象として選び、貧困家庭や母子家庭を対象とした家屋の建設支援と集会所の建設、精神的なケアを行うプロジェクトを実施する予定で、このために人材や場所の確保に取り組んでいく考えを示しているとのこと。