海外紙によると、英国内の企業の3分の2が、社内でクリスマス・カードのやりとりや装飾を禁止していることがわかった。キリスト教以外の宗教に配慮を示すことが目的。宗教者や文化評論家らは「政治的な正しさばかり強調され、伝統や文化という財産が失われつつある」と批判している。
雇用法を専門とする法律事務所が企業の代表取締役ら2000人以上を対象に今月上旬行なった調査によると、社内のクリスマス・ツリーや装飾を禁止した企業は全体の70%にのぼった。
調査結果によると、職場でのプレゼント交換やクリスマス会を禁止。一部では社員が強く反発し、これらの禁止を撤回した。移民系住人の多い地区では「多様性を否定する」などとして街中のクリスマス装飾を全て撤去する事態にまで発展した。
同事務所は論評で、宗教間の平等を重視する風潮が広まり、英国で伝統行事として定着したクリスマスを排除する声が高まったと分析。「宗教差別」と非難されることを恐れたキリスト教徒や保守派が発言を避けることで、反対派がいっそう勢いづく格好となっている。