ソウルで開かれた20カ国・地域首脳会議(G20サミット)について、キリスト教精神に基づいた支援活動を行う国際NGO「ワールド・ビジョン・ジャパン」(東京都新宿区)は、今回の「開発に関するソウル合意」と「開発に関する複数年行動計画」策定により、「貧しい国への責任に真剣に取り組む姿勢と、成果が共有されるような成長、および、すべての人のための開発に貢献する意志を示しました」とG20の意志を歓迎する姿勢を示した。15日付の同団体ホームページで見解を発表した。
「開発に関する複数年行動計画」については、野心的とは言えないとしながらも、「開発に影響を与える経済、貿易、ガバナンスの改善にむけて、今後のさらなる取り組みの力強い基盤」になり得ると高く評価した。さらに、「G20による開発課題の焦点化が、世界の貧困を削減し、衡平な世界を実現するための、より包括的、かつ、一貫性ある取り組みへとつながり、既存の開発援助に力強い相乗効果をもたらすことが期待」されるとした。
具体的には、▽開発の成功に至る道は様々であり、開発戦略の策定・実施における途上国自身のオーナーシップが重要であるという認識を示したこと▽貧困削減には経済成長と援助の双方が必要であるという認識を示し、援助公約を再確認したこと▽G20開発ワーキングループを継続し、G20の行動計画の進捗をモニターし報告する役割を与えたこと、について歓迎できるとした。
また、経済開発が長期的な貧困削減に必要であるというG20の認識に賛同するとしながらも、「援助が、短中期的に、基本的な社会サービスを貧困層の人々に提供し、また、経済成長の恩恵が届きにくい人々を支援するために果たす役割を、韓国の成長の歴史を振り返っても、軽視すべきではない」と指摘した。そのうえで、「G20は、成果文書で再確認したとおり援助公約を守り、また、貧困削減・気候変動対策のため新たな資金創出メカニズムについて取り組みを進めることが必要」との見方を示した。