サッカー・ワールドカップ南アフリカ大会での欧州勢の美しい試合運びは見事だった。広い空間を存分に使ったダイナミックなゲーム展開をするオランダと、選手の個性を生かしながら変化に富むチームプレーで鮮やかなゴールを決めるスペイン。敵味方が混在する中で攻守が瞬時に切り替わるサッカーから、今日のクリスチャンが伝道のゴールを決める上で学ぶべき3つのポイントを考察する。
1.目標設定
伝道には目標が必要だ。サッカーでは共通ルールの下、チームメンバーの連携で相手ゴールの中に1つのボールを入れ、試合に勝つという明確な目標がある。教会は、信徒が団結して知人や近隣住民、教会に来なくなったクリスチャンをサタンの攻撃から守り、キリストの御もとに導くという目標がある。
監督の声など届かないところで選手が瞬時に考えて判断し行動しなければ、点が取れないどころか、ボールを奪われて相手に得点されてしまうのがサッカーだ。日本代表選手の技術や戦術は多くの国々と比較しても水準が高い。欧州リーグなどで活躍する選手も年々増加している。しかし、トップチームとの差が縮まらないとすれば、その原因は実際の試合で一瞬のチャンスを逃さず、変化し続ける状況下で練習の成果とチーム力をどれだけ発揮できるかにある。
2.目標達成への道すじ
一瞬のチャンスを生かす体制を作るには、できる限り実際の状況を意識した練習をすることが大切だという。これから伝道しようという教会は、目の前の聞き手にキリストを伝える場面を意識した信徒訓練と、実際に伝道する機会を含んだ年間計画を立てる必要がある。
聞き手と対面する際に必要な話し方や表情、受け答え、聖書の教え、勧め、祈りの導き、心構えといった要素を期間に分けて訓練すれば、信徒と教会の伝道力は、時を重ねるごとに着実に伸びるはずだ。
3.熱意と団結
チームは個人の強みを引き出して初めて機能し、個人はチーム全体を生かして初めて得点できる。そこには自由があり、同時に一致がある。教会独自のミッションに沿った目標設定と訓練は信徒たちを1つにする。教会の全ての要素が1つのミッションに向かって機能する。伝道意欲のある信徒の輪が初めは小さくても、義人の祈りは山をも動かす。教会は、神と信徒との関わり方によって常に変化し続けるものだ。
人間の計画だけでは決してゴールを奪えない。決定的な場面での奇跡は完全に主の恵みだ。そして、伝道にかける信徒たちによる祈りの一致を通して、定められたときに、主は速やかに偉大な御わざを行ってくださるのだ。