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「和平」と「和解」願う教皇のキプロス「巡礼」

2010年6月7日16時58分
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 使徒パウロとアンデレが宣教したことが聖書(使徒言行録)に記されているキプロス島は、地中海北東部に位置していることから、政治的、宗教的に複雑な歴史と現状を抱えている。



 中東各国を席巻した原理主義に立つイスラム教過激派のテロ活動は、イスラエル排除の動きと共に、欧米のキリスト教社会に反発を呼んだ。各国の政治も宗教と部族が利権にからみ複雑な様相を見せている。



 キプロス島は現在、北部約3分の1はトルコ系住民による『北キプロス・トルコ共和国』が存在し、実質的にトルコの支配下にある。中南部がギリシャ系住民によるほぼ単一民族国家『キプロス共和国』を形成している。ギリシャとの関係が深いものの、住民の大多数を占める正教徒は、コンスタンチノープルのエキュメニカル総主教やギリシャ正教会に属さず、キプロス正教会として自立している。のもとに自治を行っている。さらにマロン典礼、ラテン典礼、アルメニア典礼など典礼は正教会の方式を守りつつ、ローマ司教(教皇)の管轄下に入った『東方帰一教会』が少数ながら混在する。



 教皇のキプロス訪問は、あくまで「巡礼」旅行であるとの姿勢を貫き、この9月に開催する『中東特別シノドス』への準備を強調している。しかし特別シノドス開催自体が、パレスチナとイスラエルの抗争から、核疑惑を主題とした米国などのイランけん制など、緊張激化の中で、和平を指向するものなのは確か。一方で、中東に影響を与えている正教会との「和解」も視野に入れたものとなった。



 教皇の「巡礼」旅行は経費も多額になる。緊縮を迫られているバチカン財政の中で、マルタに続く今回の訪問の資金手当も関心を呼んでいる。

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