米国に本拠を置く人権監視団体『チャイナエイド』が10日、中国の著名な人権派弁護士、高智晟氏が中国公安部当局に激しい拷問を受けている可能性が高いとの調査結果を報告した。
中国内の信頼できる情報筋から寄せられた報告書で明らかになった。公安部による高氏への暴力行為が明確に報じられたのは今回が初めて。高氏は今年1月から行方不明になっていて、複数のメディア、『アムネスティ』等の国際人権団体は、高氏が治安部隊によって逮捕、拘束されたと報じている。
高氏が失踪した後、高氏の妻と2人の子どもは人権団体などの支援を受けて米国に「避難」(チャイナエイド)しており、現在も米国に在留している。
高氏の妻が所有していた高氏から家族に宛てた手紙によって、高氏が2007年にも公安当局に逮捕され、数週間拘束されていたことが明らかになった。手紙には、高氏が殴打や性器を含む全身への電気ショックを受け、火のついたタバコを目や鼻に近づけられるなどの拷問を13日間毎日経験したことが詳細に記されていたという。
高氏は07年6月、地下キリスト教信徒に対する公安当局の人権侵害を告発する公開文書を米国議会に提出していた。05年には胡錦涛国家主席と温家宝首相に対し、思想と気孔による身体の修練を行う新興宗教『法輪功』の実践者に対する当局による拷問の中止を求める公開文書を提出している。
中国当局による地下教会(政府非公認教会)への弾圧について、米国の人権専門家は「地下教会を欧米の意を汲んだ悪しき思想集団として評価し、活動を厳しく取り締まっていることが原因」と指摘している。