なぜ、人間らしい生のあり方を阻むものに対する批判的精神を、キリスト教は衰微させたのか。その歴史的な転回点はどこにあったのか。霊性とは、神の霊に応答しつつ生きる人間の、社会的な次元を含むダイナミックな生のあり方を指す。
この独自な霊性理解に立って、キリスト教成立期の知られざる諸相を追跡する。救済観と共同体意識の成立、信仰共同体における女性の位置づけ、正統と異端の葛藤―これらはいずれも著者の長年にわたる新約聖書学研究を導いた三つの指標であった。キリスト教の正負両面の歴史を、囚われることなく見定めるための視座を求めて、諸文書の海をわたった営みの到達点を示す最新論集。 (購入する)
著者: | 荒井献 |
価格: | 税込2,730円 |
出版社: | 岩波書店 |
発売日: | 2009年4月 |
ページ: | 282ページ |
サイズ: | 19 × 13.8 × 3.2 cm |
ISBN: | 4000234633(ISBN‐10) 978‐4000234634 (ISBN‐13) |
【著者紹介】
荒井献(あらい・ささぐ):1930年生まれ。専攻、新約聖書学。東京大学・恵泉女学園大学名誉教授。日本を代表する聖書学者の一人。
【著書紹介】
▽ 「イエス・キリストの言葉―福音書のメッセージを読み解く」 (税込1,365円、岩波書店)
▽ 「トマスによる福音書」 (税込1,155円、講談社)
▽ 「使徒教父文書」 (税込1,575円、講談社)
▽ 「新約聖書外典」 (税込1,680円、講談社)
▽ 「ユダとは誰か―原始キリスト教と『ユダの福音書』の中のユダ」 (税込2,415円、岩波書店) 他