近年の世界宣教情勢を振り返ると、教会は、特にアジアやアフリカ、南米において急速に成長している。これに伴い、宣教活動も多様化しており、地域の文化やニーズに応じたアプローチが求められている。例えば、教育や医療、社会福祉を通じた宣教が注目されており、単なる宗教の枠を超えた支援が行われているのだ。
アフリカでは、プロテスタント教会が急成長している。特に、迫害のニュースをよく聞く一方で、ナイジェリアでは教会の数が増加し、信者の数も急増している。ケニアもまた教会の成長が著しい。これに伴い、地域の社会問題に対する関与も強化されており、教育や医療、貧困対策などの分野での活動が目立っている。
アジアでは、特に中国やインドにおいてプロテスタントの信者が増加している。中国では、地下教会が活発に活動しており、政府の規制にもかかわらず信者が増え続けている。また、インドでは、社会的な反発や迫害が吹き荒れる中、ヒンズー教徒の中からキリスト教に改宗する人々が増えているのである。
南米では、ブラジルを中心に、減少するカトリック教徒に対して、急成長を遂げるプロテスタント教会は、存在感を増し続けている。南米諸国は21世紀の世界的な牽引役の大きな一角を担うのだろう。
一方、北米や欧州では、プロテスタント教会の信者数が減少傾向にある。特に、若い世代の教会離れが顕著であり、教会の活動を再活性化するための新しいアプローチが求められている。オンライン礼拝やコミュニティー活動の強化が、そのような新しいアプローチとして若い世代を引きつけている。
シームレスな国際化がますます顕著になっており、宣教団体は連携してグローバルに活動している。これらの団体は、資金調達や人材育成、宣教戦略の策定において重要な役割を果たしているのだ。
各教派は、地域ごとの特性を考慮しながら、さまざまなプログラムを展開している。例えば、教会のネットワークを活用した地域密着型の活動や、オンラインプラットフォームを通じたメッセージの発信が増加しているのである。これにより、より多くの人々に福音が届けられている。
私たちも、以下の3つの方法で、世界宣教に参加することができる。
①宣教師や団体スタッフとして献身し、直接的に関わる。
②献金や物資のサポートによって参加する。
③祈りによって参加する。
それぞれが召しと賜物に応じて主の奉仕に励むのである。
主イエスは言われた。「全世界に出て行き、すべての造られた者に、福音を宣べ伝えなさい」(マルコ16:15)と。また、こうも言われた。「この御国の福音は全世界に宣べ伝えられて、すべての国民にあかしされ、それから、終わりの日が来ます」(マタイ24:14)と。
福音が地の果てにまで届くとき、すなわち救いに定められている最後の一人が救われたなら、私たちは雲間に再臨の主を見るのだ。期待と希望を持って種をまき続け、祈り続けようではないか。
この一年、ワールドミッションレポートを通じて共に祈っていただいた方々に、心から感謝を申し上げたい。マラナタ、主よ来たりませ。
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