世界教会協議会(WCC)は、325年に現在のトルコ北西部にあった古都市ニカイアで開かれた「第1回ニカイア公会議」の1700周年を記念する会議を、2025年に開催する計画を進めている。
計画されているのは「第6回信仰職制世界会議(ニカイア2025)」。WCCの信仰職制委員会が主催するもので、実現すれば1993年にスペインで開催された第5回会議以来、32年ぶりの開催となる。
WCCの発表(英語)によると、2025年6月に予定されている本会議をはじめ、ニカイアがあったトルコ北西部で開催するキリスト教の一致を求める祈祷会、他団体の会議におけるセッション、学術機関や教会の要請に基づくセッションなど、世界中の地域にまたがる一連の集会を、対面とオンラインの両方で開催することを想定している。また、1年を通じて、テーマに関連したオンラインセミナーや若手の学者や学生による講演会、地域教会での対面・オンライン集会なども行われる予定だ。
ニカイア2025の開催については、WCCの執行委員会が2017年、信仰職制委の提案に支持を表明。信仰職制委は、環境やテクノロジー、金融などの分野における課題を含め、教会と世界が直面する現実を反映させた会議として開催することを提案している。
第1回ニカイア公会議は、ローマ皇帝コンスタンティヌス1世が325年に召集。全キリスト教界から代表者が参加して開かれた最初の公会議。当時、キリスト教はミラノ勅令(313年)により公認されていたが、教理上の不統一があり、キリストの神性をめぐって大きな論争があった。この公会議により、三位一体の教理が確立。この時に採択された基本信条(原ニカイア信条)は、その後381年に改定され、ニカイア信条として現代に至るまで世界中の教会で広く用いられている。